ヴォネガットは、怒っている。それは、ほんとうに真摯な怒りだ。
じつは、誰も認めようとしないが、われわれは全員、化石燃料中毒なのだ。そして現在、ドラッグを絶たれる寸前の中毒患者のように、われわれの指導者たちは暴力的犯罪を犯している。それはわれわれが頼っている、なけなしのドラッグを手にいれるためなのだ。(PP52-53)
アメリカのイラク政策や、社会構造、環境破壊について、皮肉たっぷりに批判している。
われわれが大切に守るべき合衆国憲法には、ひとつ、悲しむべき構造的欠陥があるらしい。どうすればその欠陥を直せるのか、わたしにはわからない。欠陥とはつまり、頭のイカレた人間しか大統領(プレジデント)になろうとしないということだ。
これはハイスクールにもあてはまる。クラス委員(プレジデント)に立候補するのはどう見ても頭のおかしい連中ばかりだ。(p110)
これが、タイトルの「国のない男」なのかもしれない。自分の国に絶望した男。エイブラハム•リンカーンや、マーク•トウエインを懐かしみ、「私の愛するアメリカは公共図書館の受付にまだ存在している(p111)」と言う。
「化石燃料中毒」のくだりあたりで、戸外の風が強まり、雨まで降って来たけど、ストーブの設定気温を思わず1℃さげて、毛布にくるまってしまった。
寒くてうすぐらいこの季節に読むには、ちょっと陰鬱すぎる内容なのだし、出版当時の2年前には、全米でベストセラーだったというが、その頃よりまた世界情勢が悪化していることを思うと、かなり絶望的な気分になった。結局、「消費」されてしまっただけ?それでもヴォネガットのアイロニーとユーモアは、やはり魅力的。あっという間に読めます。
ちょっと落ち込んだ気分になってしまったので、大好きなグループの脳天気なまでに明るい音楽を聞いて元気を出しました。
ヴォネガットも、こう言っている。
奴隷たちは自殺という疫病神を、ブルースを演奏したりして追い払っていたのだ。(P77)
夕ごはん
れんこんバーグ
青梗菜のいためもの
ブロッコリ
カボチャ
納豆
長いもすりおろし
もやしと揚げのみそ汁
れんこんと長いも、しょうがをすりおろし、片栗粉、卵、炒めたまねぎとひき肉をこねこね。お味噌を隠し味にいれるのを忘れました。
WAになって踊ろう!
ReplyDelete(それにしても私もこの話題、考え出すと怒り心頭)
ジギー様
ReplyDeleteそうですね。ヴォネガットは、容赦なく斬っていました。ブッシュやコリンを。
嘆いていても何も変わらないので、"Let's Change the world"ということで(^^)
おりひめ