本書は、出版社が前の2冊と違うせいか、タイトルもやや扇情的。そして冒頭から背筋が凍る。「こどもが書いた『サンタさんへの手紙』を窓辺にかざる44歳主婦。彼女のこどもは、18歳と14歳の男子。「うちの子は、サンタさんを信じられるような『夢』のあるステキな子」。そして彼女は、決して例外的存在ではないようだ。主婦たちは「クリスマスが大好き。心がウキウキする。」そうで、11月になると家中を飾り立てる。最近では戸外のイルミネーションも大切なアイテム。飾り付けに疲れ果て、食卓は、「コンビニ弁当」もよくある話。どうやら飾り付けと食卓の充実度は反比例しているそうだ。浮かび上がってくるのは「しあわせな家族に囲まれた楽しいクリスマスを過ごす『ワタシ』」の姿。こどもは「幸せな私」を彩る貴重なアイテムにすら見えてくる。
クリスマスが最大の「イベント」の一方で、お正月は、めっきりトーンダウン。「おせち」は、夫や自分の実家で「ごちそうになるもの」。娘としても「嫁」としても、忙しく立ち働く実母や義母、義理の姉の「じゃまをしないように」ただ座っている。「お客様」でいるのが彼女たち側からの気遣い。 どうやら「正月」は「きまりごと」が多過ぎて、うっとおしいようだ。元旦のおとその理由も門松の由来、おせち料理の中味の意味も、全く知らないか、知っていたとしてもそれは「テレビがそういっていたから」であり、親から伝えられたものではない。
このクリスマスと正月のギャップは、そのまま「自分が楽しいか」どうかがイベントを行なう上での基準になっているからだろう。クリスマスは彼女たちにとっては、いくらでもアレンジがきく「自分らしさ」を出せるという楽しさがあるから、「アリ」。対して、お正月は、「強制された感じ」がするから「NG」。
一方で、「お正月のような伝統行事をこどもたちにつたえていくことは大切」と本気で思っているらしい。この点を著者は、なによりも問題視していた。では、どうやって「つたえていく」のだろうか?多くのアンケートは、「これからは、私もお正月をがんばりたいと思います。」と書かれていたそうで、これって、学校時代に書かされた作文と発想が似ていないだろうか?一体なにをがんばるのかわからないけど、とりえあえず、前向きでしょう?
「つたえる」とは「情報をつたえる」という意味にせばめられてしまっている。言葉だけではつたわらないことがたくさんあるんですけどね。
くり返し思うのは、自分だって、あっけなくこういった発想に絡められてしまうところに立っているんだろうということ。だからこそ、ほんとうにホラーでした。
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夕ごはん
干し椎茸いりカレー
チキンサラダ
ギャル曽根推薦の「干し椎茸いりカレー(レトルト)」がとても美味しかったので、私もいれてみました。
ふふふ、みたか、これぞ、本物のジャパニーズホラー!貞子もびっくりの日本のお茶の間。ああ、今や、「お茶の間」さえも、もはや「死語」。
ReplyDeleteホラーだ・・・・・
ReplyDeleteあの、家の屋外のイルミネーションって、美しいと感じるのだろうか? 感じるのだろうねえ、その方々は・・・・
とんでもねえ「電気代」かかるって聞いたけど・・・
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ReplyDeleteみかん様
ReplyDelete「お茶の間」は「一家にテレビが一台」の時代ですね。いまや「ひとりに一台(または、ワンセグ?)」我が家は、ちなみに「一家に一台」の化石一家です。(笑)
かず様
ほら、発光ダイオードとかもあるしい、、きれいだしい、、、「しあわせ」アピール代としたら、マストアイテムだしい、、、
ってことでは?
おりひめ
日本から来た友達にクリスマスのイルミネーションをハデにやってる町に見物に連れて行ったら「気分が悪い」と。
ReplyDelete乗り物酔い?と思ったら「あまりの資源の無駄使いに吐きそうになった」とのことであった。
友達のお母さんは昭和20年代生まれで、伝統をきっちりと口頭伝承されているお宅だ。
それはそうと、「自分だって、あっけなくこういった発想に絡められてしまうところに立っているんだろう」というところもホラーだけども、それよりも私は「自分だってあっけなくこういうくくりに入れられてしまうところに立っているんだろう」というところがホラーだわ〜。
山女さま
ReplyDelete「おりひめタウン」でもイルミネーション地区が生じつつあります。私の英語の生徒さんのおうち近辺。Nちゃんのおうちは、「イルミネーションお化け」に四方を包囲されているのに、がんばって「独立国」状態を保っています。Nちゃんの保護者さん、えらいなあって応援しています。(陰ながら)
「くくり」は、「くくる方が悪い」ってことで、、、(笑)
おりひめ