2009-02-03

Holes

英語の児童書の中でも「名作」とあちこちでとりあげらているLouis SacharのHolesをようやく読み終えました。読み始めたのは、真夏で草取りばかりしている時だったから、炎天下の砂漠で穴を掘り続けるという「罰」を受けている少年のストーリーは、ちょっとしんどかった。それでほとんど読まずにいたのだけど、ふと思いついて手にとったらあっという間に読んでしまった。やっぱり評価が高いのもうなづける。

チャリティに出された著名な野球選手のスニーカーを盗んだという、身に覚えのない罪で先にのべたような「ひたすら穴を掘る」という罰を受けた少年が主人公。それまでも「不運」の連続だった彼の人生についても紹介され、砂漠の毒ヘビや、冷酷無比な舎監、そして何よりも炎天下の砂漠という設定が、読んでいる私ののどが乾くほど、「キツイ」物語。それが、段々とシュールながらも展開していき、最後は「救済」があるのだけど。。。

「穴を掘る」だけが仕事というシジュポスの神話みたいな設定で、ファンタジーでもない、SFでもない、不思議な物語。徹底的に無国籍な雰囲気。途中から挿入される「もうひとつの物語」と絡み合い、最後は収斂していく構成は、ちょっと村上春樹の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」を思い出させる。

砂漠の乾いた描写と、抑制された描写が絶妙でした。そしてその「乾いた世界」の中で、自身に降りかかる不運を嘆き哀しむのではなく、愚痴るのではなく、徹底的に受け入れて、その時、その時に「最善」と思われる行動を、これまた「乾いたトーン」で淡々と選んでいく主人公が印象的でした。「できごとは、解釈次第でどうにでも転ぶ」というお話でもあるのかも。Marvin Redpostの作者とは思えないクールな物語でした。

HolesHoles
Louis Sachar


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穴  HOLES穴 HOLES
ルイス・ サッカー


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世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)
村上 春樹


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夕ごはん

焼きギョウザ
イカの塩辛
長いもすりおろし
納豆
大根の漬け物
じゃがいもとあげ,大根の葉っぱのみそしる

6 comments:

  1. いやー、写真が,写真が!
    これおりひめさんのピアノ?
    おニャン子さんととっても似合ってるじゃな〜い。
    いいなあ,ちゃんと写真を撮らせてくれる猫。
    フォトジェニックな猫。
    Micoが飛行機でグーグーの映画見たけどよかったって言ってました。

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  2. >山女さま

    私はお金にはあまり縁がないんだけど、別の意味でいろいろ恵まれていて、「ピアノ、欲しいなあ」と思っていたら、トコトコやってきたんです。

    うちのネコたちは、カメラの作動音がすると「何?カメラ?写真?」と迫ってくるんで、結構大変です。

    Micoちゃん、元気かなー。今度お手紙書こう♪

    おりひめ

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  3. 私も山女さんと同じリアクションでした。すごく素敵な写真〜。ピアノを弾く猫のビデオを思い出しました。(必見)

    http://www.youtube.com/watch?v=v0zgQAp7EYw

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  6. ジギーさん!すごいわ、これ!Noraちゃん最高。

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