「フツーの子の思春期」(岩宮恵子著 岩波書店 2009)で紹介されるこどもたちは、「ふつう」ではなく「フツー」の子たち。著者は、臨床心理士でありスクールカウンセラー。本書によると、ちょっと前の「ふつう」の子は、思春期を迎えて「アレコレと悩み、深まり行く内面とおりあいをつける『葛藤』をくりかえす」プロセスがあったのに、最近、カウンセリングに訪れる「フツー」の子には、その「内面の葛藤」が見られない。全てがなんとなく薄っぺら。問題行動を問題だと本人が理解、自覚できない。「悩み」としてとらえられていない、、という子が増えてきたという。おとなとしては、「これは、一体なんだろう?」と逆に悩んでしまうという。ふむふむ。「昭和」と「ヘイセー」の違いだね。
ジャニーズ好きの少女たちが自分の「担当(特定グループの中でのお気に入りのタレントを応援すること)」と同じタレントを「担当」している子とは友達になれない、ならないように実に注意深く友達を選ぶ心理とか、クラス替えを機に「友情解散式」をおこない、今までの友情関係を精算したあと、あっけらかんと次の友達作りに精を出すケースとか、「なるほどー。その『芽』は、『昭和』の思春期ちゃんたちにもあったよねー」と思う一方、やはり「ともだちつきあい」も「ヘイセー」的なんだなあと、ちょっと背筋が寒くなった。
著者のスタンスが、「フツーの子」のその「内面の薄さ」を嘆くのではなく、従来の「内面の葛藤を経て『主体』という意識を育てていく」という形とは違う形の意識が彼女、彼らの中に生まれているのだろうと認めて、そこを何とかして理解していこうと取り組んでいる姿勢がとても共感を持てた。
それは、一見、表層的でムダなように見える「ジャニーズ語り」とか「アニメ語り」の中に見え隠れする「フツーの子」が抱くもやもやとした(著者によると「中間的なエレメント」)どちらにも転ぶ可能性のあるイメージに、根気よくつきあうことなんだろうと思った。
本書では、一世を風靡した「冬ソナ」についての考察もあり、これは、「冬ソナ」に全く感染しなかった私にも納得のいく説明でした。臨床家でもある著者によると、、「冬ソナ」と同様の「感染力」を、中年女性に今もたらしつつあるのが、、、「ジャニーズ」くんたちだそうです。周囲を見渡しても、わかルー!
ということで面白い一冊でした。
フツーの子の思春期―心理療法の現場から | |
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と、ところで、バンクーバーのスピードスケートのリンクで、、KAT-TUNの亀梨くん発見!と、思ったら、、長島選手でした。本日のオリンピック観戦録。
夕ごはん
焼きギョウザ
カボチャ
長いもすりおろし
キムチ漬け
あげとニラのみそしる
昨日、今日と思春期の記事を興味深く読ませていただいてます。多かれ少なかれ皆に訪れるものだとわかっていても、目の前にいると弱ってしまうのが常です。
ReplyDeleteご紹介の本、ためになりそうですね。
探してみます!!
お!マニアックなそっくりさんシリーズ。追加~。私の方は最近発見しました。イノッチと作家の石田 衣良さん。
ReplyDelete>カフェさま
ReplyDelete「思春期前期」は、ハラハラします。まだ言葉がおぼつかなかったりするしねー。この本は図書館で見つけました。
>ジギーさま
イノッチと石田衣良ねー。爆!ところで、例の大物6人組、春に全国ツアーですって!奥様!どうやら「解散」はガサネタでした。