2010-05-11

「聖☆おにいさん」

あちこちで見かける表紙とタイトル、売上げランキングも高そうなんで、はやりの「BLマンガ」かと思っていたら、、、違うらしいと。世紀末を乗り切り、ほっと一息ついた「イエス」様と「ブッダ」様が東京立川に、お忍びで休暇を過ごしに来ている、、という設定のお笑い系漫画だと知り、読んでみたくなりました。

たまたま立ち寄った本屋さんで、これまた話題のよしながふみ「大奥」とどっちにしようか考えたんだけど、「大奥」は、チラ見ができて「あー、何となく雰囲気わかった」のでまたそのうち。

ということで「聖(セイント)☆おにいさん(1)」(仲村光著 講談社 2008)。なるほど、「くすくす」笑いが起きてしまう「ウマイ」作り。心配性で倹約家、家事が得意のブッダさんと、脳天気で浪費家、こっそり人気ブログを書いているイエスさんのコンビは、とっても等身大。でもって、それでもやっぱり「地に足がついていない」おふたりだから、庶民の暮らしでは、事件が続出。

作者は、史実というか聖書や仏教書を「自分がブッダの立場だったらどう思うかなー?」なーんて形で読みほどくところからストーリーが組み立てられているのかも。イエスさんは「母」からの差し入れに閉口していたり。(もちろん、それって「マリア」さんからのものですよ。)ブッダさんは、ジェットコースターで思わず念仏をリアルに唱えてしまったり、「一度でいいから動物たちに嫌われてみたい」とぼそっとつぶやいちゃったり。

あー、もしかしたら、ほんとにジーザスもシッダルタもこんな風な「どこにでもいそうな」青年だったんだろうなあって思えると、その教えも余計「ありがたく」感じられたのは私だけかなあ。

それにしても、日本だからこそ生まれた発想と設定かもね。(神社のお祭りにはちょっと「後ろめたく思いつつ」参加していたふたりでした。)第2巻以降、おともだちの「ムハンメド」くんとかの登場は、ないのだろうか?ないだろうなー。彼の周辺では、それどころじゃないよね、きっと。

にほんにおける「宗教」の位置づけがわかります。が、日本のことを知らない敬虔なクリスチャンには、「内緒」にしといた方が無難なストーリーかも。私は、続きが気になりますが〜。

聖☆おにいさん(1) (モーニングKC)
聖☆おにいさん(1) (モーニングKC)
講談社 2008-01-23
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8 comments:

  1. こんばんは

    私も、この本は、書店に行くたび気になって手にとっては立ち読みし、まあ、買うほどではないか・・・・・

    でも、おりひめさんがおっしゃるように、モハメッド君なんかが出てきたたら・・・シーア派なんかにばれたら、作者、指名手配かも・・・・

    宗教には寛容でありたいですが、これは多神教の日本人だから?

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  2. 実はこのマンガ、4巻まで持っています。
    おりひめさんの深い読みに感嘆~。
    私も、ほのぼのしていて好きでした。
    2巻以降、それぞれの弟子たちがたくさん登場してきますよ。
    多読本のお返しの便で、2~4巻をお送りいたしますね。

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  3. おひさのコメントです!でも毎日チェックしてます。この漫画、超おもしろそう!ですね。しかし、ムハンマド君は、ゼッタイマズい!つい、先日もアメリカのアニメ「サウスパーク」でムハンマド君を登場させたがために制作者は死の脅迫を受けたそうです。詳しくはこちらを。
    ★言論の自由(今週のThe Daily Show with Jon Stewart)
    http://navy.ap.teacup.com/kumiko-meru/1058.html#readmore

    むかし、「◯◯の歌」を翻訳した日本人が刺殺された事件もありましたし・・・
    (◯◯は、無用な危険回避のために、わざと伏せ字にしてます)

    みんな日本人的なんでもごちゃまぜOK!感性だったら平和なのに

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  4. かず様

    日本人が多神教?というのはよくわかりませんが、宗教についてアバウトですよね。その背景があってこそのこの作品だから、ちょっと「深〜い」かなと。その意味でinterestingです。

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  5. まりも様 なんと!こんなところに「お仲間」がっ!喜んでお借りいたします〜。第一巻では「歓喜の涙を流して皿に横たわるネコ」が私のドツボでした。(ネタバレになっていないよね?)

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  6. みかんさま
    そうなんです!この作品の「いい加減さ」というか、「わしゃ神様じゃよ(by志村けん)」と通じるセンスは、「日本オリジン」の宗教観としては侮れないな〜って思います。実際、この本が多数の読者を惹き付けている事実は、救いでもあります。

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  7. こんばんは

    「日本人が多神教」というのは、かねてからの私の持論なので、少しわかりにくかったかも。。。

    産まれて、なにやかや100日などのおいわいがあり、神社で七五三のお祝いをし、クリスマスにはツリーを飾り、結婚式はいろいろありますが、神前で三々九度をおこない、内掛けから衣装代えでウェディングドレスを着てケーキ入刃、死んだら仏教で・・・・

    私のおおまかな日本人感。もちろん、すべてのひとの話ではないのですが。
    で、思ったのが、古代から「八百万の神様」貧乏神から便所の神様までいるくらい・・
    かみさまが、1柱、2柱増えても”誤差範囲”なのでは、と思ってます。
    一神教の人には、考えられない発想でしょうけど。

    そんなアバウトな日本人の宗教観は、けっこう好きです。

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  8. かずさま
    そうですね〜。加藤周一さんの「雑種文化論」ですね(^^)。なんでも「こだわりすぎない」方がいいかなーっていうのが日本っぽいのかもね。

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