2011-02-06

「減速して生きる〜ダウンシフターズ」

昨日の勉強会のあと、図書館へ。予約をいれておいた「減速して生きる〜ダウンシフターズ」(高坂勝著 幻冬舍 2010)が届いたという連絡があったので。

「ダウンシフター」とは、アメリカなどで1990年代に広まり始めた考えだそうで、浪費はやめて必要なものだけを買い、生活をミニマムにして、それが成り立つだけの収入を得よう、、そして満足しよう、など上昇志向と一線を画すライフスタイルのようです。今回借りた本は、日本でそんな生活を実践している男性の手記。

著者は、大学卒業後、どうやらデパート業界に就職。ノルマをこなすバリバリ社員だったのだけど、ある時期から業界全体も売上げ低迷に陥り、それに伴い職場環境も悪化、そんな生活に疑問を感じて退職。1年間の世界各地を放浪の旅のあと、池袋の片隅に6.6坪のBARを開きます。一日の目標は、「お客さん5人。」で、現在、週休2日を実践中。収入は会社員時代の1/2になったけど、生活の質は格段にあがったそうで。新しいライフスタイルを実践した成功者としてちょっと注目されている人です。

一読しての感想は、、、こういう人って、昔は「ドロップアウト」って呼ばれてたよなーとか、「ヤング」が死語になって、「ティーンズ」って言われるようになったのと同じかな?魚柄仁之助とかぶってるかな?でしたが、、、著者と昔のカウンターカルチャーの人々との違いは、バリバリのやり手会社員だった彼でも感じた「閉塞感」が、ライフスタイルの変更のきっかけだったところ。

「経済成長」はもう、なりたたないって気づいたんだと思う。

そして、どうやらそう感じている若い層の共感を集めているのが、今後、どう広がっていくのか面白いところ。

また、「必要なものだけを買う」「質のいいものを使う」「物は増やさない」などって、ブームの「断捨離」にもシンクロする考え方だし、その意味でも、これが単なる「オルタナティブ」なのか、潮流になっていくのか、注目点です。

ちょっと長いけど、共感した部分を引用しますね。

私がお客様に伝えることはシンプルです。葛藤はその人だけの悩みではなく、社会全体で多くの人に起こっていること、その原因の多くは、巨大化しすぎが経済にあること。だから,自分だけを責めないでほしいこと。頑張って耐えても、会社や政治が守ってくれるとは限らない時代になったこと。であるならば、自分で好きなように仕事をして、シンプルに生きればいいこと。より少なく生きれば、より多くの豊かさに近づくこと。ミニマム主義なら、夢を実現しやすいこと。農に携われば、お金が少々でも食べるものに困らないこと。システムから降りれば、それまでの“恐怖”が“自由”に変わること。年齢や条件に関係なく、いつでもやりたいときが旬なこと。そうやって歩き出している人の例を伝えること。ダウンシフターになっても楽しく暮らしている私の姿を見てもらうこと。そして、あなたが変わったら、社会もいい方向に変わること。(p221.太字は本文より)


ま、我が家は、なし崩し的なダウンシフターだけどね(笑)。

著者の経営するBarは、”たまにはTSUKIでも眺めましょ”。ブログはこちら

でもって、お!シンクロだね。昨日のエントリーで紹介した上関原発についての記事を”たまTSUKI"ブログで、発見。10代から20代5人の若者が山口県庁前で抗議のハンガーストライキをしていたそうです。

アジア杯に夢中になりすぎてたかなー、自分?と、ちょっとハンセイ。

減速して生きる―ダウンシフターズ
減速して生きる―ダウンシフターズ高坂 勝

幻冬舎 2010-10
売り上げランキング : 4880


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


夕ごはん

豚肉の炒め物
長いもとタマネギのサラダ
きのこと春雨の炒め煮
わらびの酢醤油漬け
大根の漬け物
納豆
じゃがいもと大根のはっぱのみそしる

1 comment:

  1. ご紹介のTSUKIさんのブログ読みました。リンク先から、いろいろ探って、TPPが、とんでもないもんだということがわかりました。先のエントリーにあった電力自由化の問題でも、TPPを批准すれば、例えば(破綻したけど)アメリカのエンロンのような電力会社が九州電力を買収することもできるんじゃなかろうかと心配になりました。ものだけじゃないんですよ、産業、サービス全てにおいて自由化=実質アメリカに食い物にされる日本って構図になっちゃうらしいですよ。怖いっす〜〜。平成の開国とかいってるけど、とんでもない話で、フリートレードという美名のもとで、実質、自国に不利な不平等条約をのまされるだろうという状況という意味では、まさに平成の開国だけど、誰もそんなこと望んじゃいないって。管さん、TPPの意味わかってんのお????って感じです。

    ReplyDelete