2016-08-29

マラソン日和【北海道英語多読教育新人セミナー2016】


台風や雨の合間を縫うように晴れ渡ったこの週末の札幌。
30周年を迎えた「北海道マラソン」と同じ時間に札幌で、別のマラソンを「走っていた」集団がいます。

27日と28日に北星学園大学大谷地キャンパスで開かれた道内初開催の「英語多読教育新人セミナー」。

本州からも講師をお招きしてのイベントでした。

たっぷり時間をとっての「英語多読体験ワークショップ」と豊富なデータを紹介しての「講演」が組み合わさったボリュームあふれる二日間で、ココロに残ったのは、、、、

「シェアリング」の大切さ。

民間の英語教室でも、大学でも、サークルでも、高校でも、「自分が読んだ本について、仲間に紹介する、語る、シェアする」ことが、「長く楽しく、ゆるやかに」英語力をつけるひとつの大切なキイになっていることがじんわり伝わりました。


講演の中で、講師のおひとりがいみじくも指摘していた「コミュニケーションの93%は、ノンバーバル(非言語)」というのも、感慨深い。

講師の皆さんが繰り出すたくさんの「データ」に目くらましにあったような気分でもありましたが、「文字を通じて」の「情報」だけで分かった気になってはいけない。あのセミナーの「場」で感じとれたことの93%はノンバーバルってことだもんね(^^)

言ってみれば、セミナー自体も大きな「シェアリング」タイムだったのです。

参加者60余名の「熱気むんむん」というオーラが充満していた会場ですが、その熱気の中にありながら、経験豊富な講師の皆さんは「ハートは熱く、頭はクール」。

「英語教育をよりよい方向に向かわせるため、英語多読を根付かせるためには、大きな展望のもと動くべき。『何かすぐにできること教えて!』 『今のこの生徒に速攻効くものがある?』と目先を追っても意味がない。ゆっくり考えながら、生徒の成長を促がす循環をつくっていこうという態度、気持ちが大切。」

セミナーの最後の質疑応答セッションでいただいたある講師の方からのお言葉です。一時の熱に浮かされるのはラクチン。続けるのはマラソン仕事。

別の講師の方は、ご自分の講演の冒頭、東日本大震災の被災地を訪れた経験から、「明日があるとは思わずに、今、できることを精一杯やろう。」というご自身のお心構えについて語ってくださいました。

「自分の仕事が人と人とが『つながりあえるものであるかどうか』を常に考えている」と静かに語られるその姿に、ほんとうにこの方とお会いできてよかったとしみじみ。

今回のセミナーは、人と人とが「つながりあえるものだったかな~。自分も、いろんなものとつながりあえる生き方をしていきたいな~。」と振り返りながらの帰りのバス。札幌からの5時間半の終点間際、車内のテレビでは、100キロマラソン走った落語家さんがゴール寸前でした。

私達の「ゆっくり、ゆっくり、楽しいマラソン」は、まだまだ続くよ~(←ほんとうか笑)