それは、さておき、我が家の庭で今年はじめて見つけた「春」です。
今日は、家の用事で車で一時間弱のK市まで。なんやかんやで待ち時間があり、本を一冊読み終えた.知人が貸してくれていた「春になったら苺を摘みに」。前回もご紹介した梨木香歩の最初のエッセイ集です。著者がイギリス留学中に下宿していた「ウエスト夫人」という女性や、留学中に知り合った知人とのエピソードが中心となったもので、「ぐるりのこと」より読みやすいのは、観念的でなく、「ウエスト夫人」が前面に出ているからかもしれない。そして、解説者(清水真砂子さんです。)が書いているとおり、この手の手記は、「下手をすると鼻白む自慢話、体験談」なのだけど、そうならずに読み応えのなる一冊になっている。敬虔なクエーカー(キリスト教の一派だけど、反戦非暴力。第二次大戦中のアメリカでは、日系人をサポートしたり、さらに遡っては、脱走奴隷をかくまったりしてきた歴史がある人々)のウエスト夫人は、刑務所帰りの男でも、男尊女卑のかたまりのような異国人でも、「理解できない」と嘆きつつも下宿させる。
ウエスト夫人は私の見た限り、彼らを分かろうと聖人的な努力を払っていた、ということは決してなかった。彼らの食べ散らかした跡について、彼らのバスルームの使用法について、彼らの流す大音響の音楽について、いつも頭を抱え、ため息をつき、こぼしていた。自分が彼らをわからないということは分かっていた。好きではなかったがその存在は受け容(い)れていた。
理解はできないが受け容れる。ということを、観念上だけのものにしないということ。(pp.230)
ウエスト夫人、かっこいいなあ〜。彼女は、町内からある事件で総スカンを食らってしまった女性をたすけるためにストリートフェア(street fair)を企画する。そのエピソード自体も魅力的なのだけど、Oxford Reading Tree というイギリスのこどもたちの日常を綴った絵本を読み聞かせている「英語のセンセー」としては、ウエスト夫人の周囲にいる、なんとも「核」がしっかりしているイギリス人(なんというか、「小学校時代のボロボロの筆箱を誰に何といわれようと使っているタイプ」というか自分なりの「矜持」がしっかりしてているオトナ?)の描写に、ORTがより身近に感じられた。KipperのGranもウエスト夫人の友達みたいなタイプかな?
タイトルが謎だったんだけど、最後まで読んだらわかりました。
春になったら苺を摘みに (新潮文庫) | |
梨木 香歩 おすすめ平均 おとなのためのお伽噺 温かなエッセイ・そのバックグラウンドには「地球」がある☆ 眼差しが深いです。 人を信じるという希望 ウェスト夫人の人柄が伝わります Amazonで詳しく見る by G-Tools |
夕ごはん
ベーコンエッグ
納豆
じゃがいものみそしる
お昼ごはん(外食)を食べ過ぎたので。
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