最近ようやく読んだ「ニッポンには対話がない」(北川達夫、平田オリザ著 三省堂 2008)によると、世界の趨勢は「多文化共生」。日本も例外なく、異国、異文化からの移住者であふれかえるはず。そのとき、どうすればいいのか?について北川、平田の2氏が語っている。つまり「多文化共生」の社会では、「違っていてあたりまえ。いろいろな価値観を持っている人とどう折り合うか」が、最大のテーマになる。この前提でいくと、日本も、伝統的な価値観を大事にしようという発想だけでは、太刀打ちできないはず。もはや「阿吽の呼吸」や「察してよ」の文化だけでは、無理でしょうとのこと。興ざめであっても「察しの文化とは、何か」を、それを共有できない人に向けて説明する力がないとダメでしょうと、コミュニケーション力の重要性、協調性より社交性の必要性を熱く論じている。
伝統的な価値観の扱いや、果たして、日本全体が「異文化共生」に覆われるのか?誰もが社交的でなければいけないのか?「考える力」と「基礎学力」のバランスなど、いろいろ突っ込みどころもあり、面白く読みました。とくに「ほんとうの自分なんてどこにもない。社会的な関係性、他者とのコミュニケーションの中で自ずからわきあがってくるものをじっくり見つめるべき」「自分も変わるし、社会も変わる」「演劇を使ったコミュニケーション力のレッスン」などは、イマドキの発想だけど、その通りだと思いました。
さてさて、グラウンドでは、一学年16名の小6生が、最後のリレー。こう書くと、東京にいたころの私なら「あらー、『24の瞳』っぽくって素朴なんだろうなあ」と思うところ。ところが現実を見ちゃうとそうでもない。いまや情報伝播速度は東京とほぼ変わらないし、一学年に女子が5人しかいないなーんてなると、つまりそれは幼稚園から中学卒業までほぼそのメンバーのみ。これは、かなりキツイ。保護者の方と話していても「もっといろんな世界を見せたい」っていう思いが強いのもわかる。彼女たち、彼たちは、平田氏が言うところの「閉じたコミュニティ」で「以心伝心」の毎日。未知との遭遇」にどう立ち向かうんでしょう?あるいは、E.Tに遭遇することもなく、このコミュニティで生きていくのかな?
この本は、オトナの方とのディスカッションレッスンでテキストにする予定。
ニッポンには対話がない―学びとコミュニケーションの再生 | |
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夕ごはん
ハモの塩焼き
高野豆腐の煮込み
ニラの炒め物
大豆とひじきの胡麻煮
長いもすりおろし
納豆
しめじとあげのみそしる
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