2012-06-24

「幸田家のきもの」

読書が好きです。作家さんでこれ!というのは、と~っても少ないのだけど、五体投地したいくらい尊敬しているのが幸田文さん。絶句するほどの文章の切れ味。お父様である幸田露伴も数編読みましたが、昭和30年代後半生まれには、歯ごたえありすぎ。よさがわかるような、わからないような。文さんの娘さんの青木玉さんも文筆家ですが、こちらは、私にとっては歯ごたえがなさ過ぎる感じ。やわらかい魅力はあるのですが。

で、その玉さんの娘さんまで文筆家!ということで、どんだけ続く、文筆一家。

青木奈緒さんが文さん、玉さんから受け継いだ「きもの」にまつわるあれこれをゴージャスな写真とともに紹介したのがその名もずばり「幸田家のきもの」(講談社 2011)。お友達が貸してくれた一冊です。

きものというものは、かつて、あたりまえに親から子に着方、仕立て方、見立て方も伝承されてきたのだなあということがよくわかります。

が、、、、

私が驚愕したのは、そこではない。

「ああ、失われた古きよき、日本の伝統」

ではない。

「高2のころ、はたちになったら島田を地毛で結いたいと思い、髪を伸ばし始めた」と、さらりとあった一文。

え?高2?

実は著者は、私とほぼ同世代。彼女が高2のころってば、、、、世の中の女子高生の間で席巻していた髪型といえば??

そう、「聖子ちゃんカット」です。

さらに言うと、著者と私はそのころ、同じ東京で暮らしていたはず。私の近くにも明治生まれで着物を身にまとっている祖母はいました。こどものころ、きものを着せてくれました。それなのに、同世代が書いているとは思えない不思議がたくさん。

書かれている内容よりも、これを書いている青木奈緒というひとの「不思議さ」のほうが強烈な印象だという一冊でした。



幸田家のきもの
幸田家のきもの青木 奈緒

講談社  2011-02-26
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