ま、経済、金融のことは殆ど分からない私が言うのもなんですが。「何かがヘンだ」という気はずっとしています。そんな折りに出会ったのが「エンデの遺言」(河邑 厚徳+グループ現代 編著 NHK出版 2000)。「モモ」で有名なミヒャエル•エンデが、晩年NHKで番組を作るために行ったインタビューを原点に、「お金とは何か?」と「地域通貨の可能性」についてのレポートをまとめた本。
いやー、目からウロコとはこのこと。
今まで自明のものとしていた「お金」や「利子」「銀行」について、それは、あくまでも人間が作り出したひとつのシステムであって、いつでも変更ができるものだ!という当たり前のことに気づくきっかけになる本でした。
銀行に預けておけば発生する「利子」。これをこねくりまわして行われるのがマネーゲーム。現在世界中で動いているお金の95パーセント以上が実際の経済活動から生じたものではない。
それは、おかしいだろう?というのがエンデの問いかけです。そしてそんなマネーゲームの犠牲者が、第三世界の人々や自然環境である。それでは、システムと我々の意識の変革が必要ということ。そもそも「利子」は必要なのか?
エンデのこの問題意識は、実は「モモ」の隠されたテーマでもあるとこの本では紹介されています。
でも、そうはいっても、どうすればいいの?という疑問には、シルビオ•ゲゼルという人が提唱した「時間とともに劣化させるお金」「無利子のお金」という概念がひとつのヒントでは?と、ゲゼル理論も紹介されています。また、この理論に基づいて1929年の大恐慌時代にほとんど破綻していたドイツの小さい町が「地域通貨」を発行することで経済を活性化させることに成功した事例など、アメリカのイサカで盛んになっている地域通貨の現状など、今まで知らなかったことばかりで夢中で読みました。
現行のシステムの前でただ無力に立ち尽くすだけじゃない、第3の道の可能性を感じさせる元気が出る本。
そういえば、日本でも数年前に「地域通貨」が話題になったっけ。私が住んでいるこの町でもその動きもあったのになあ。それは、どうなったの?という辺りについては、また明日。
エンデの遺言―「根源からお金を問うこと」 | |
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夕ごはん
一口トンカツ
しらすとわかめの酢の物
ポテトサラダ
長いもすりおろし
納豆
高野豆腐とえのきのみそしる
この本、ずっと、読んでみたかったのです。いつか読みたいです。そうなんですよね、その、システムに私たちは従順に従っているけど、そのシステムからはずれて生きることも可能なんだってことに、少しずつ、心ある人たちは、気づきはじめてきているのではないでしょうか。以前、ロマの方が、新聞のインタビューで、グローバル化とかサブプライム問題に端を発した金融危機についてコメントしたいたと思うのですが、「ぼくたち、ロマの生き方を見習った方がいい。」といったことをいってました。お金や人間の作り上げたシステムから離れて生きる精神の豊かさを感じました。
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