2009-09-29

見えないこと。

「政権交代。」ということで、なかなか賑やかですね。いろいろな話題が錯綜するなか、「ダムを作る法律はあっても、それをやめる法律がない。」など、まあ、一般人が知らなくても日常困らないけれど、一度知ってしまうと「それって、ど〜よ?」という意外なトリビアまでポロポロ飛び出して、うーん。明治以来の「官僚組織」は、洗練というか効率と合理化の頂点にまでいってしまったんだろうなあという感でいっぱいです。

それを、壊して、建て直すのは、生半可なことじゃないはず。どのくらい、すったもんだが続くのか、そこをどれだけ我慢できるか、がキイでしょうね。

一般人がよく知らないうちに決まっていったものの一つの例にごみの広域化処理というモンダイがあって、私が住んでいる町でも、今まで使っていたごみ焼却炉ではダイオキシン対策の基準に不都合なので、、、という理由で近隣の市町村といっしょになってごみ焼却処理を
しているそうです。なるほどねー、と思っていたのだけど、この「広域化処理」に、大きな問題がある、と論じたのが「ごみ処理広域化計画ー地方分権と行政の民営化」(山本節子 築地書館 2001)。一番の問題は、ダイオキシン対策もばっちりの大型の焼却炉では、
「24時間ゴミを投与し続けないと稼働できない」そうで、そこから「じゃあ、広い地域からごみを集めましょう」ということで「広域処理」が理屈として現れた。だけど、これってよく考えたら「ごみの減量」とは逆方向の考えでは?つまり、「焼却炉を動かすために、ごみは必要」ってことで、何だかおかしい。

しかも、ごみを「調達」するために、家庭ゴミと産業廃棄物も一緒に燃やしているそうで、こうなってくると今度は量が多過ぎて、行政が扱えなくなり、民間に委託。「官民癒着」の温床のできあがり。

本書を読んで、一番びっくりしたのが、こんなシステムが国会の決議を通らない場所でスタートして今も続いているということ。結局「法律の外」のシステムだから、誰にも止められないという仕組み。

どうして、こういうことがまかりとおっているのか?

今回の「政権交代。」には、せめて、こういうよくわからないシステムを、あぶり出してほしいなあと淡く期待しています。

この本、とっても刺激的だし、きっと書かれていることはほんとうなんだろうけど、残念な点がいくつか。参考文献など、情報の出所がよくわからなかったことと、前書きを読んでいて「ん?もしかして『結論先にありき?』」と、なぜだか、直観的に思えてしまったこと。さらに、きっと想定読者は、地方分権の専門家に向けてなのだろということで、やや読みにくかったです。

それでもゴミ問題に関心がある向きにはおススメです。

ごみ処理広域化計画―地方分権と行政の民営化
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夕ごはん

秋刀魚の塩焼き
ジャーマンポテト
人参の漬け物
ほうれん草のおひたし
納豆
高野豆腐ときのこ、青梗菜の間引き菜のみそしる

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