家の片付けもしながら、たまっている多読用の英語本も読んでいます。貸し出しの前には、あらすじぐらいは知っていないとおススメできないので。読みやすさレベルが低めの本はサラサラいくのですが、さすがにネイティブの中学生向けくらいになってくると本格的なペーパーバックの一歩手前だから、一時間くらいで読み終わることもできないんで、まとまった時間があるこんな雨降りがぴったり。
昨日読み終わったのは、Louis Sacherの”The Boy Who Lost His Face”(Yearing Book 1989)Sacherといえば、”Holes”や”Marvin Redpost”が有名だけど、この中学生向けのノベルも読み応えありました。主人公はちょっと気弱な中学生男子。ひょんなことから周囲の圧力に負けて、独り暮らしの老女の家に悪ガキグループと乗り込んで、彼女のつえを盗むという「冒険」に加わってしまい、そこからストーリーが展開します。
中学生くらいの非常にメンドクサイ心模様が微にいり細にいり描かれていて、途中、「ぶわーっ!めんどくさーい」と思うシーンも多々ありましたが、この作者の心理描写は秀逸。自意識過剰と、劣等感と、負けん気でぐちゃぐちゃの主人公のゆれる「男の子ゴコロ」が痛いほど伝わります。そして「あるある!」の共感もいっぱい。
そして何よりもこの作者の「骨太さ」は、物語のはじまりと終わりが見事にくるりと円を描くところ。タイトルもしっかりテーマを反映いしていてスタイル的には桐野夏生さんを思わせます。
欧米の児童文学に欠かせない「洋館にひとりで暮らすなぞめいた老婆」が、モチーフのひとつでもあり、うーん、これって伝統なのかな?日本では、こういう物語にならないのよね。中学生が主人公であっても。
読後、ちょっとほっとするし、なんとなーく「懐かしい」気分になります。
英語教室の中学生男子の内面もこんなかな?と、改めて考えちゃったりして。連休明けはちょっとやさしくなれそうです。(って、じゅうぶんやさしいんですが、、)
The Boy Who Lost His Face | |
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