2010-01-14

それでも、日本人は「戦争」を選んだ

大学受験の時、「世界史」を選択してました。今、本屋さんでも買える「山川の世界史」をバラバラにして、「ヨーロッパ史」「イスラム史」「中国史」の3部作にまとめて、くり返し読んだものです。だから、「リットン調査団」「盧溝橋事件」「柳条湖事件」「蒋介石」「張学良」は、あたりまえ。「汪兆銘」「胡適」「クレマンソー」「ウイルソンの14か条」などの言葉も頭の隅っこに残っているのだけど、、、、今回、いちばん痛感したこと。

なーんも、知らないで、ズラズラと年号とイベント、名前だけ覚えてたんだねーと。

今回読んだ本は、「それでも、日本人は『戦争』を選んだ」(加藤陽子 著 朝日出版社 2009)東大教授の加藤氏が、神奈川県の名門高校の「歴史クラブ」のメンバーを相手に行った5日間の集中講義がまとめられたもの。日清戦争から太平洋戦争に向かう日本の動きについて、質疑応答の形で行ったというこの講義、レベル高いっ!

「みなさんが、当時の外交官だったらどうしますか?」
「この場合、中国はどうすると思いますか?」

読みながら、えーっと、えーっと、、、、のこんな質問にも、「歴史クラブ」のメンバーは果敢に答えていく。それに対して、「いい視点ですね!」「それは、あるかもね!」と、積極的に肯定しつつ、加藤教授は「その他はどうですか?」と、さらに考え方を深められるように、地図や当時の手紙などを織り込みながら講義がすすむ。

ああ、こんな授業だったら、「立体的」に大文字の「歴史」が見えるかも?その前に、基礎知識もかなり必要そうです。その意味で、結構ヘビーな本です。

先にご紹介した「この世界の片隅に」で、主人公のすずさんたちが、広島や呉で、淡々の戦前、戦中の生活を送る一方、「日本」を代表する軍部や政府のエリートたちが何を考えていたのか?「国家」ってなんだろう?などと、別の視点の「戦争」がみえてくる。

特に、日清戦争、日露戦争、日中戦争、太平洋戦争のこの流れの時期に、決して「ロシア」とか「清」といった不動の「国家」があったわけではなく、それぞれ帝政ロシアの崩壊、ソビエトの誕生、中華民国、中国共産党の出現など、「当時の日本の周辺って、ほとんど『融解』中?」と、いうことが、よーくわかった。

ただ、最終的に「どうして、戦争を選んだの?」という点は、よくわからないまま。

「それでも」タイトルに「選んだ」という言葉を「選んだ」著者の気持ちは、わかります。

年号と名前を暗記するのに手一杯のころは、そんな風に、自分のいる場所の「むかし」についてきちんと見届ける余裕なかったなあ。ゲーム感覚で覚えていたんだろうな。

それでも、日本人は「戦争」を選んだ
それでも、日本人は「戦争」を選んだ
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stars5つの戦争、点と点が線としてつながる講義録
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夕ごはん

厚揚げと青梗菜のオイスター炒め
肉じゃが(昨夜の残り)
叩きごぼう
にんじんの漬け物
納豆
とうふと大根の葉っぱのみそしる

2 comments:

  1. この本、わたしも、今、読んでま〜す。まだ、途中です。高校生たちのレベルの高さに舌を巻いてます。わたしは、日本史を選択したんで、世界史をまったく勉強していません。例えば、薔薇戦争と言われてもチンプンカンプンなのですが、この本は、今、一番興味のある極東地域の戦前戦中という限定的な歴史なんで案外読めてま〜す。

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  2. >みかん様

    日本史選択だったのね。私は、漢字が多くていやだなーと思い、世界史へ。ところが、「中国史」というものが含まれていて、読みが外れました(笑)。この本、今、話題ですよね!読み終ったらまた感想きかせてね!

    おりひめ

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