2009-02-26

「わたしの外国語学習法」

 今日は、午後に長い昼寝をしてしまった。夢の中で、メガネを壊し、除雪車が来たようだったのだが、起きたらメガネは無事で、大雪でもなく、なんだか「よかったねー」の気分。

「わたしの外国語学習法」(ロンブ•カトー著 米原万里訳 ちくま学芸文庫 2000)は、20年以上前に出版されたもの。ハンガリー人の著者は、14のヨーロッパ系言語と日本語、中国語をほとんど自国を出る事なく身に付けたそうだ。ハンガリー語は、いわゆるヨーロッパのドイツ語やフランス語ご系列が違うので、それを思うとほとんど「語学の天才」?のようだが、実際は、学生時代にドイツ語で苦労した理系の女性。就職難でやむを得ず「語学教師」になろうと思った事がきっかけだそうです。

タイトルどおり、彼女の「学習法」が紹介されているのだけど、それにとどまらず、「なぜ、外国語をやるのか?」「そもそも『言語』とはなんだろう?」などの素朴な疑問もときほぐされ、されには彼女の通訳、翻訳における「失敗談」も折り込まれていて上質な読み物です。

「なんちゃって英語のセンセー」としては、、、「反復は不可欠」「こどもは自分の意識を幾度も通過した情報をとりわけ好む」「法則(文法)は、自覚されるべき」「出来るだけ多く、くり返し正しい型に出会うこと」「音声、アクセント、リズムの再現が重要」「単語は文脈で」「習得した知識を維持するにも、新たな知識を獲得するにも、主要な手段は、本」など、BBメソッドと多読の理論的土台にもなリ得るのでたくさん線をひいて読みました。するn

さらに、著者が中国の列車内で出会ったモンゴル人女性と「言葉を使わずに」会話をしたエピソードなど、「コミュニケーション」の基本についてもさらりと書いてあって楽しめた一冊。

うーん。英語もいいけど、今度は、何語をかじろうかな?とか夢も膨らみます。

故米原万里さんの最初で最後の「翻訳本」。この翻訳にまつわる米原さんの「恨み節」も読み応えありました。

わたしの外国語学習法 (ちくま学芸文庫)
4480085432Lomb Kat´o 米原 万里

筑摩書房 2000-03
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夕ごはん

ポテトコロッケ
白菜のつけもの
長いもすりおろし
ニラとあげのみそしる

7 comments:

  1. うあ、これがうわさの本。
    つい先日、彼女の代表作のひとつ
    「不誠実な美女か、貞淑な醜女か」を読んだばかりで、プロの通訳の”ものすごさ”を知ったばかりなので。
    すごく、面白そうですね

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  2. ほんとに、これがうわさの本だ!!
    わたしも米原万里さんの大ファン。ちょうど「ガセネッタ&シモネッタ」「言葉を育てる 米原万里対談集」を読み直していたところです。「絶対通訳なんかやるもんか」って思ってた万里さんが通訳をやることになった経緯もユニーク。英語同時通訳のコースに大昔1年間通ってたとき確立された学習法とかなかったです。講師たちのあいまいな経験知と根性論が中心だった。万里さん唯一の翻訳本、彼女がきっとこれは役に立つと思って訳したんでしょうね。読んで見ます。

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  3. >かずさま

    いろいろ面白かったです。お貸ししますよ、

    >吉田さま

    かずさんの後でよかったらお貸しします。そうですか?シャドウイングって通訳訓練から生まれた英語学習法だと思っていました。本書では、通訳と翻訳の違いについても語られていました。何よりも語学を学ぶ上で大切なのは、、、

    「プライドを捨てる」ことみたいですね。

    おりひめ

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  4. お願いします、貸してください!!!

    吉田様、読み終わったら、転送いたします。(勝手に決めてますが。。。)

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  5. >おりひめさま

    かずさまに同じく、お願いします、貸してください!!!

    「プライドを捨てる」ーーほんとこれにつきます。耳がいた〜い。

    >かずさま、よろしくおねがいします。

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  6. うわーーーー! 書籍名間違えました(汗)

    米原さんの本は”不実な”でしたーーーー

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  7. おりひめさん、かずさん、こんばんわ。

    お借りしようと思っていたのですが、「わたしの外国語学習法」、図書館にあったので今日借りてきました。早速「訳者あとがき」だけ目を通しました。面白い!!本文はゆっくり楽しみます。

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