大学受験の時、「世界史」を選択してました。今、本屋さんでも買える「山川の世界史」をバラバラにして、「ヨーロッパ史」「イスラム史」「中国史」の3部作にまとめて、くり返し読んだものです。だから、「リットン調査団」「盧溝橋事件」「柳条湖事件」「蒋介石」「張学良」は、あたりまえ。「汪兆銘」「胡適」「クレマンソー」「ウイルソンの14か条」などの言葉も頭の隅っこに残っているのだけど、、、、今回、いちばん痛感したこと。
なーんも、知らないで、ズラズラと年号とイベント、名前だけ覚えてたんだねーと。
今回読んだ本は、「それでも、日本人は『戦争』を選んだ」(加藤陽子 著 朝日出版社 2009)東大教授の加藤氏が、神奈川県の名門高校の「歴史クラブ」のメンバーを相手に行った5日間の集中講義がまとめられたもの。日清戦争から太平洋戦争に向かう日本の動きについて、質疑応答の形で行ったというこの講義、レベル高いっ!
「みなさんが、当時の外交官だったらどうしますか?」
「この場合、中国はどうすると思いますか?」
読みながら、えーっと、えーっと、、、、のこんな質問にも、「歴史クラブ」のメンバーは果敢に答えていく。それに対して、「いい視点ですね!」「それは、あるかもね!」と、積極的に肯定しつつ、加藤教授は「その他はどうですか?」と、さらに考え方を深められるように、地図や当時の手紙などを織り込みながら講義がすすむ。
ああ、こんな授業だったら、「立体的」に大文字の「歴史」が見えるかも?その前に、基礎知識もかなり必要そうです。その意味で、結構ヘビーな本です。
先にご紹介した「この世界の片隅に」で、主人公のすずさんたちが、広島や呉で、淡々の戦前、戦中の生活を送る一方、「日本」を代表する軍部や政府のエリートたちが何を考えていたのか?「国家」ってなんだろう?などと、別の視点の「戦争」がみえてくる。
特に、日清戦争、日露戦争、日中戦争、太平洋戦争のこの流れの時期に、決して「ロシア」とか「清」といった不動の「国家」があったわけではなく、それぞれ帝政ロシアの崩壊、ソビエトの誕生、中華民国、中国共産党の出現など、「当時の日本の周辺って、ほとんど『融解』中?」と、いうことが、よーくわかった。
ただ、最終的に「どうして、戦争を選んだの?」という点は、よくわからないまま。
「それでも」タイトルに「選んだ」という言葉を「選んだ」著者の気持ちは、わかります。
年号と名前を暗記するのに手一杯のころは、そんな風に、自分のいる場所の「むかし」についてきちんと見届ける余裕なかったなあ。ゲーム感覚で覚えていたんだろうな。
夕ごはん
厚揚げと青梗菜のオイスター炒め
肉じゃが(昨夜の残り)
叩きごぼう
にんじんの漬け物
納豆
とうふと大根の葉っぱのみそしる