2010-05-03

"Matilda"

英語教室で「やんちゃ」が目立つ子たちの様子を観察していると、個性の強弱もあるのだけど、おしなべて「オトナからの圧迫感」に「反抗」しているふしがありあり。おとなしい子もゲームなどで「センセーを負かす」というスタイルが大好き。そんなに「オトナ」に対抗したい?そんなに「圧迫」されている気分なの?

の、答えがうっすらわかったのが、今回読んだロアルド・ダールの"Matilda"。6歳の天才児マチルダと「テレビ漬け」の俗物両親、「子供大嫌い」の校長先生とのバトルが繰り広げられる内容。評判が高いので気になっていた本でした。でもって「ハリポタ」が出る前は、この本がイギリスの子供たちに圧倒的に支持されていたそうで。で、どれどれ、、と読んでみました。


「本嫌い」「テレビ漬け」の俗物として描かれているマチルダ両親や強面の校長先生などの「悪党」がステレオタイプで平面的。そのせいか、最初のうちはあんまり面白く読めませんでした。ダールってグロテスクなまでに「悪事」や「悪人」を描こうとしているけど、きっと心根はやさしいひとなのでは?

マチルダの担任、ミス・ハニーが住む小屋にマチルダが訪れる辺りからスイッチ・オン。ヘンゼルとグレーテルが住んでいるような、赤ずきんちゃんに出て来るような「おうち」ってどうしてこんなに魅力的なんでしょう。その後のハッピーエンドへの展開は、やや「お約束」的。特にラストは唐突かな?でしたが、それには理由がありそう。

そしてそして、ダールの作品で欠かせないのはイラストの魅力。Quentin Blakeの挿画は、シンプルな線でありながら状況をとても的確に表現しています。だから英語表現の難しさを気にしないで読めるはず。

そして恐らくこどもの心をとらえたのは、前半繰り広げられる校長先生や、父親からの物理的、精神的「虐待」とマチルダやその仲間が爽快にそれをうっちゃる有様の対比が鮮烈なのと、「庇護される立場(こども)」のマチルダが実はミス・ハニー(おとな)を「庇護」し、苦境から助け出し、ラストでは、今度はマチルダがミス・ハニーに助けられ、「対等」な「ともだち」の関係になるという仕組みにあるような気がしました。だからこそ唐突なエンディング。その意味でダールはすごいっ!

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夕ご飯

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2 comments:

  1. 今晩は。

    私がこの本を読めるようになるのは、いつなんでしょうねえ・・・・(・・)

    「いつか来る日」を楽しみに、自分のレベルアップを目指します!

    っつーか、単に好きな本読んでて、いつの間にかレベルアップしてるという「多読」に浸ってますが(^^)!

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  2. かずさま
    「読めるようになる」というか「読みたい」ときが「読み頃」のような気がしますよ(^^)物語にはいりこめたらどんな本も楽しめますよね〜。

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