2009-01-01

スロー•イズ•ビューティフル

昨年から(つまり昨日から)降り続く雪ではじまった2009年です。喪中なので「あけおめ」は自重致しますが、今年もどうぞよろしくお願い致します。

今回のような大雪が降ると、ほとんど移動不可能状態な我が家。元日、特に外出予定もなく、困る事もないので、まったりゆっくり過ごしました。

あー、ゆっくりっていいなあ。だけど、あんまりゆっくりしているとそわそわしちゃう私にとって、ちょっと考えさせる本があります。

2009年最初にご紹介する本は、「ゆっくりの効用」を語った「スロー•イズ•ビュ−ティフル」(辻信一著 平凡社 2001)。文化人類学者でその名も「ナマケモノ倶楽部」を主宰している著者は「ハチドリのひとしずく」の作者としても有名、本書は文化人類学の視点から「環境破壊は、文化破壊、しいては人間性の破壊である」という立場をとり、効率重視の現代社会の価値観からはなれた「スロウ」な生き方や考え方をエッセイ風に紹介しています。著者の言う「スロウ」には「エコロジカル(生態系によい)」と「サステナブル(持続可能性)」といった去年あたりからマスメディアでもよくする言葉の意味がわかりやすく述べられています。


雑穀料理から自然農、藁で作った家、ツリーハウス、非電化運動からベストセラー「五体不満足」の読まれ方への批判など、メインストリームからちょっと脇道に離れたところから見た世の中、「経済や効率重視の時間」に対抗する「いのちの時間」の話など、話題は多岐ですが、軽い文体(体言止め多用で、スロウというよりテンポの良い文体。)なので、環境問題や持続可能性などといった話題の初心者の方でもよみやすいと思いました。より深く知りたい向きには巻末の参考文献がいいガイドになりそうです。

どう考えても、2008年後半に顕在化したモンダイのあれこれは、単なる「景気対策」などでおさまるものでもなく、2009年は「価値転換元年」になるのでは?そのきっかけを考える手がかりとなる一冊です。



スロー・イズ・ビューティフル―遅さとしての文化 (平凡社ライブラリー)スロー・イズ・ビューティフル―遅さとしての文化 (平凡社ライブラリー)
辻 信一


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


夕ごはん

煮物
五目寿司
かまぼこ

うーん、今年は地味すぎたなあ。年末、「ゆっくり」しすぎたか?

2 comments:

  1. 大雪の静かな年始もいいですね。
    札幌は、降ったあとに気温が上がり、元旦の道路が三月みたいにぐしゃぐしゃでした。
    神社までの道が歩きにくいのなんの!

    何はともあれ、本年もどうぞよろしく♪

    ReplyDelete
  2. >しのはらさま

    はっ!神社!そういうのもありましたねえ。うむ?うむうむ?喪中だと初詣もパス!なのかなあ?(喪中慣れしていないワタシ。)

    こちらこそ、今年もよろしくお願い致します。

    おりひめ

    ReplyDelete