米原さんの魅力は、視野の広さと、考え抜く姿勢、そして何よりも辛口のユーモア。私は中でも根底にある、その世界観の広さ、正義感の強さ、暖かさ、が好きでした。通訳という異文化のはざまで見える世界、しかも、英語ではなくロシア語というのも彼女の立ち位置を際立たせていたんだと思います。
ユリイカの特集では、幼少時から、晩年の写真ギャラリーがあり、にっこり笑っていた少女が、ある時期から、濃いアイラインとアイシャドウのちょっとどぎつい女性に変身していく様がわかります。それは、妹さん曰く、「さびしがりやで臆病な」米原さんの「武装」した姿だったんだと思います。掲載されている対談の中で、「現代ロシア文学で、日本に紹介された方がいい本は?」の問いに「読んだ人がロシアを好きになる本」と答えている米原さんが私の中の米原万里を表しています。
特集でも「毒舌」「辛口」だの「シモネタの女王」「豪放」だのといった紹介が多かったけど、私は、それだけじゃーないでしょう?と、読みながら改めて思いました。
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夕ごはん
ポテトコロッケ
大根の漬け物
キンピラゴボウ
納豆
あげとしめじ、ニラのみそしる
わたしも「嘘つきアーニャ~」で米原さんのことを好きになったくちです。その後、米原さんの略歴と写真を見て、母校のロシア語の講師だったことを知り、「ああ、なんで、ロシア語とらなかったかなあ~」と後悔したくちでもあります。でも、ロシア語でなく、現代評論という科目ならとったと思うので、そちらでも教鞭をとってくれてたらなあ、とも思っています。米原さんの視点は、すごく、自分のなかで「ものさし」の役目を果してくれました。ほんとに、もっと、生きていてほしかったです。
ReplyDeleteこんばんは。
ReplyDeleteわたし、以前彼女の文庫本を1冊読んで、あまり興味がわかなかったので、そのままにしておりました。
年上の友人から、彼女の「打ちのめされるようなすごい本」をかしていただき、忙しいので読めるかどうか、、、など不遜な返事をし、ひょんなことで「嘘つきアーニャ~」を読んで惹き込まれました。「打ちのめされるような~」は、タイトルが大げさなようで引いてしまったのが原因です。が、いざ、読み始めたら止まらなくなり、通勤中、バス停ひとつ乗り越したこともあります。
実家母に教えてあげたら、さっそく図書館でかり、彼女の書評で面白そうな本をリストアップし、徐々にかりているそうです。
今、「不実な美女か貞淑な醜女か」を移動中に読んでおります。
本当に惜しい方を亡くしたのですが、遺憾なのは、「打ちのめされるような~」の最終部分、彼女が癌治療に関し、民間療法をこころみたのが、惜しまれます。性格、財力が、かえって災いしたのかなあ、と。
でも、人から言われても聞かなかったかなあ、と。
>かずさん
ReplyDeleteわたしも、米原さんがどうして、がんの再発に際して、民間療法をこころみたのか、すごく、残念です。まわりを見回しても、やはり、がんは、再発するものという印象です。再発しても、治療を行うことで、再再発を抑えられて、運よく長生きしてる方が多いのです。だから、なおさら、米原さんのことは、残念です。ユリイカには、ほんの少しだけ、そのことに、触れている部分もありますが・・・
>みかんさん、かずさん
ReplyDeleteコメントありがとうございます。やっぱり「アーニャ」!ですよね!!
エッセイも面白いのですが、「アーニャ」に「打ちのめされ」ますよね!(知人の米原ファンも同意見です。)
米原さんと代替療法についてですが、私はおふたりとはちょっと違う風に感じています。
もちろん、今、この瞬間に米原さんがご存命であったら、、、
「オバマ新大統領誕生について」
「イスラエルのガザ攻撃について」
「ウクライナとロシアの衝突について」
「水村美苗さんの『日本語論』について」
「我が家のネコの傍若無人ぶりについて」
などなど、たーくさん彼女の意見を伺いたいなあとは、思いますが、、、
あれだけ頭脳明晰で、広い世界観をお持ちで、ご家族の介護、看護を経験した方が、考えぬいた末での「代替療法」採用の結論なんだろうから、きっとそれなりの理由があるんだと思いますし、、、それが彼女なりの、「人生の落とし前の付け方」だったんではないでしょうか?
今回、米原さんの履歴等を詳しくユリイカで読み、闘病の方法として「代替療法」を選んだ理由も少しわかったような気がしました。言葉足らずですが、そんな風に私は思います。
おりひめ
ああ,「アーニャ」本棚にあるわ,赤い本。読まなくっちゃねえ!!
ReplyDelete>山女さま
ReplyDelete読んで,読んで!!絶対「一気読み」まちがいなしっ!
おりひめ