2008-01-31

栄枯盛衰

昨年末からボツボツと読み進めていた本が「シャドーイングと音読の科学」(門田修平 著 コスモピア)。多読関係のメーリングリストで話題になっていたので読んでみた。内容は、外国語学習に関しての論文というやや固い内容なのだが、二色刷りで、イラストも多く使い、できるだけ読みやすくしようという工夫がされている。論文ということで、恐らく英語圏での研究書からの引用も多く、そういう場面、とくに用語に関しては、英語と日本語が併記されているのが読みづらいのか、よみやすいのか、ちょっと悩ましかった。巻末にキーワードの一覧と簡単な用語解説もあり。英語を教える立場としては、自分がやっていることに理論的な裏付けがあったりすると、ちょっと心強い。そんな私のような小心者の英語の先生は、一冊もっていると気分がラクになるかも。

内容は、学術論文だから、当然、用語の「定義」からはいり、シャドーイングとは?音読とは?の解説と、両者の相関関係。両者がどうして語学学習に効果があると思われるか。日本における外国語(主に英語)のリーディング指導の変遷などが第一章でまとめられている。この第一章が一番読みやすい。以下第2章は「リスニングにおける知覚プロセスの自動化」第3章「リーディングにおける知覚プロセスの自動化」第4章「シャドーイング、音読による新情報の内在化」第5章「シャドーイング•音読トレーニングの教室への応用」と続く。第2章から4章までは、脳科学の最新の発見に基づく考察だったりするので、面白いのだが、やや読みにくい。僭越ながら、ページ数が足りないのかも、、と、思いました。

自分を振り返ると、中学生になってから学校で英語を学びはじめ、ほとんど音声インプットもないまま、定期試験は、和訳を英訳できるまで覚える方式。高校時代のテキストは、チンプンカンプン。大学受験は、「えいやっ!」とばかりに、主要な問題集2冊を暗記するほどくり返し、同時に「でる単」の暗記。というオーソドックスかつ「頭を使わない」「音を使わない」学習法でなぜか乗り切ったのが土台。あるネイティブの人へのメモ書きをチラリと見た英語の達人(日本人)に、「オマエの英語は『拙者、かくかくしかじかで、行けねえでござる。よろしく頼みやがれ!』というメチャクチャで、かつ典型的なニホンゴ英語だっ!」と喝破されて大ショック。というの原風景だから、今、こどもたちやおとなの方に教えているやり方、むかしの自分から見たら、うらやましいっす。今は、ほんとうに音声素材が充実してますよね。学生時代に全盛だった「スキミング」というリーディング方式も、「過去の遺産」になりつつあると知って、日々精進せねば!と気をひきしめました。
シャドーイングと音読の科学
シャドーイングと音読の科学門田 修平

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