2011-04-09

「きことわ」

「これ、読んでみてよ〜。オモシロかったら、私も読む」って知り合いに言われていたのが「きことわ」(朝吹真理子 著 新潮社 2011)えー、アクタガワ賞でしょう?なんだかのサラブレッドちゃんでしょう?メンドクさそう、、、と、思っていたのだけど、たまたま図書館にあったんで、借りました。

えー、意外に読めるじゃん!(って、つまり、難解ではなかった!)

ストーリーらしいストーリーはない。なんの盛り上がりも、展開も、オチもない。それでも、するすると読めてしまうのは、やっぱり文章が上手なんでしょう。

過去と現在の心象風景が、縦横無尽に絡み合っているのに、全然混乱しない。むしろ心地よく「きことわ」ワールドに浸ることができる。顕微鏡、ニクロム線、少女漫画雑誌、雪の結晶、図鑑、古いレコードなどの、懐かしアイテムから、携帯、メール、カップラーメンまでの現代の必需品が、違和感なく解け合っていて、独特の雰囲気あり。

読みながら思い出すのは高野文子さんの作品の世界。稲垣足穂ほど甘くもなく、宮沢賢治ほど独特でもない。そして、くっきりと画面が脳裏に浮かぶ。

多分、、、ちょっと前に話題になった「森ガール」たちが好きそうな小説ですね。いえ、「森ガール」が何かはよくわからんのですが。

twitterやネットでの「情報」を扱う文章とは異なる次元の文章。どれも同じ「言葉」かと思うとこれもまた不思議。こっち(「きことわ」)の文章をゆっくり読んでいる方が心の平安には結びつきそう。

ほら、表紙も「森ガール」っぽくないですか?

きことわ
きことわ朝吹 真理子

新潮社 2011-01-26
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夕ごはん
豚肉のソテー、ネギソース。
わかさぎのマリネ
チーズポテト
納豆
あげとえのきのみそしる

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