そんなへそ曲がり気分に時に読んだのが「地球温暖化は止まらない」という翻訳本。アメリカのシンクタンクの研究者が中心となり、学術論文をもとに、「気候変動1500年周期」という説を展開して、現在話題になっている「経済活動の活発化によるCO2の排出が、地球温暖化の主因では、ない」と結論づけている本。いやー、科学オンチにしてみると「学術論文」とか「データ」の段階で、もうそれが、まがい物かどうかを自分で判断できなくなるわけで、、、ただ、地球は、150年周期で暖かくなっている、という事実は、あるのだろうな。
だけど、だからといって、今の大量生産、大量消費が、人間の幸福に結びつく、、、という「アメリカ的(あるいは、日本的?)ライフスタイル」が、これからも続くべき、または、全世界がそれをめざしているはず、、という主張には、「???」でした。
問題は、「温暖化」にフォーカスされがちな我々の視点では、ないか?
と、思い始めたときに、出会ったのが「地球環境報告」と「地球環境報告II](どちらも岩波新書、石 広之著)。80年代と90年代の地球環境の状況を、現地視察と豊富なデータをもとにレポートした内容です。読みやすかったのは、科学書ではなく、環境問題と、政治経済の問題をシンクロさせて説明してあったから。
この日記を読んで下さっている皆さんに読んでもらいたいです。
80年代の報告を読み始めて,愕然したのは、当時、農地の破壊や,砂漠化が深刻な状況としてあげられていた地名。ハイチ、フィリピン、ダルフール。。。。そう、小麦の高騰で、暴動が起きたり、地域紛争で、壊滅的な状況にある地域。すでに80年代からその兆候があったっていうこと?そして、環境状況の悪化の理由は、どの地域でも同様。「爆発的な人口増加で、食糧が不足し、それを補うための土地の酷使、限界を超えた森林開発。」
そして、最もドキリとすることは、「そういう土地での『農地』は、そこに住む人の食糧を供給することではなく、欧米、日本へ輸出するための商品作物(ジュート、ココナッツ油、ヤシ油、紅茶、輸出用の米、木材など)を、作るために酷使されている」という事実。トウモロコシなども、日本や欧米に「家畜飼料」として送られるために生産されているのです。
詳細は、ほんとうに読んでもらいたいけど、そういった土地の酷使が、砂漠化、塩害、森林消失につながっているということが列挙されているのでした。で、つまりその地域(中南米、アフリカ、アジア)に住む人々に大きな負担を強いている。政情不安も、こうした環境悪化が一因では?
「地球環境報告II」では、さらに、東南アジアでの日本への輸出向け用エビの養殖により、マングローブなどの生態系が壊され、アマゾンの奥地まで開発がすすみ、原住民がおいやられていることなどが、付け加えられているけれど、経済構造的な問題は、前著とほとんど変わっていないことが、読み取れる。
私の毎日は、「遊びたい盛り(?)」の40代にしては、外食もほとんどしないし、贅沢をするということもないし、遊びに行く事もほとんどない。(まあ、田舎に暮らしているというのと、家計がヒッパクしてるというのが主な理由ですが)それでも、日本で、こうして生活しているというだけで、大きな負担が地球のどこかにかかっているのだなあと改めて思い知らされました。「温暖化」も、問題なのだろうけど、それ以前に、知っておくべき事実が書かれている本でした。
著者による、最新刊も出ているようで、図書館で、取り寄せリクエストをしました。
地球環境報告 (岩波新書) | |
石 弘之 おすすめ平均 人の営みは本源的に環境の負担なのか。 「温暖化」登場前夜の環境問題 貧困が生み出す悪循環 環境問題のイントロダクション Amazonで詳しく見る by G-Tools |
地球環境報告〈2〉 (岩波新書) | |
石 弘之 おすすめ平均 地球は大変なことになってるなあ 学校の先生のお勧めでした。 概要 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
夕ごはん
シュウマイ
ワラビのごま酢和え
牛乳とうふ
小松菜の塩炒め
イカの塩辛
こんにちは、おりひめさん。ゆきんこです。
ReplyDelete初めてお邪魔いたします~
温暖化をお題目のように唱えるのはいやですけど、私たちが肌で感じる環境の悪化はやはり本物なのかと思います。
ミャンマーでのサイクロンとか、飢えや貧困・・・みんなつながっています。
タイで暮らしたことがあるので、日本人がおいしいといって、海老をせっせと食べるから、向こうの人がマングローブの森を切り開いて海老養殖を始めちゃったりといった、環境破壊は強く感じます。何気ない行動が大きな影響を与えてしまうのです。
せめて小さなことでも、何かを始めなくちゃね。ではまた
ミャンマーには、我が家のフォスターチャイルドがおりまする。この間、わたしが送ったレースのハンカチを、スカーフのように肩にかけて、おすましポーズのチャイルドの写真が送られてきました。とってもかわいいです。うちの夫は、彼女の写真を財布にいれてます。今回のサイクロンの被害が心配ですが、本部からなんの連絡もないことは、生きている証拠だと思っています。彼女は将来お医者さんになりたいそうです。
ReplyDelete「地球温暖化は止まらない」は、まだ途中です。石さんの本、読みたいのですが、名乗りをあげられない状況です。早く読み終えないと!
しまった!上のコメントは、わたくし、みかんでございます!
ReplyDelete>ゆきんこ様
ReplyDeleteご訪問、ありがとうございます!とても嬉しいです。御覧のように、私のブログは、多読だけでなく、かなり「ごった煮」状態なのですが、よろしかったらまたいらしてくださいね。
「エビ」は、いけないっすよね〜。我が家では、食卓にのぼりません。。。って自慢にならないか〜。
このブログでは、私の「小さいエコ活動」も折に触れて紹介しています。これからもよろしくお願い致します。
おりひめ
>わたくし、みかんさま(^^)
ReplyDeleteミャンマーのサイクロン、心配ですよね。何か私たちでできることは、あるんでしょうか?みかんさんのフォスタープログラムで募金などがあるのでしたら、お知らせくださいね。
「地球温暖化は、止まらない」私は、過去の政治紛争や、戦争の遠因に環境悪化が関係しているという部分を、とても面白く読みました。
石さんの本は、新書なので、読みやすかったです。そのうち、回ってくるでしょう(^^)
おりひめ
みかんです。
ReplyDelete昨日、ワールドビジョンからメールがあって、チャイルドの地区は無事のようです。よかったわ、ほっ。
ワールドビジョンでも募金活動はしているようなのですが、ホームページには載ってないですねえ。今度、よく、見ておきますね。