2009-03-03

環境問題3冊

北海道の知事がプルサーマル計画(すっごく乱暴に言うと、使用済みの核燃料をリサイクルして使う計画)を受入れると明言しました。連日、テレビでも原子力発電こそ地球温暖化を防ぐ一番の発電システム、、みたいなCMがくり返し流されています。去年あたり、かしましかった「地球温暖化危機」の論調は、CO2の排出を減らすことが緊急課題、、というものが多かったと思います。その流れでの、「原発推進」。わかりやすいです。

うーん。だけど、ほんとうにそうなのか?ということが書いてある本3冊。結論からいうと、この3冊が共通して訴えているのは、「ほんとうの問題は、「温暖化」ではなく、エネルギー、資源(含食糧)、及び人口問題である。」「京都議定書で約束しているCo2排出を縮小するという目標は、排出権取引というビジネスにのっかることであり、日本は明らかに損する仕組みになっている」ということ。

一冊目。「本質を見抜く力ー環境•食糧•エネルギー」(養老孟司、竹村公太郎著 PHP新書 2008)「バカの壁」の養老氏と、元国交省の土木畑の専門家、竹村氏の対談集。桓武天皇の平安から長岡京への遷都、太平洋戦争、パレスチナ問題を「資源(それぞれ、木材、石油、水の問題」から語っているのはとても新鮮。こういう風に説明されていたら地名を覚えるだけだった地理ももっと立体的に学べたのにな。おふたりの仰る「モノがないと生きていけない。概念ではなく、モノから考えていく姿勢」の大切さは、肝に銘じないと、、と思った。

二冊目。「正義で地球は救えない」(池田清彦、養老孟司著 新潮社 2008)これも対談集。ややぼやき節が目立ったけど、カンタンに「温暖化防止」「地球にやさしい生活」とか「CO2削減」などの耳障りがいい言葉にのっかるのは安易だとよくわかる本。世の中、いろいろ複雑だから、ついつい「わかりやすい話」「理解し易い事」を飲み込みがちだけど、ちょっと、待った〜の感覚、大切です。

三冊目。「ほんとうのエネルギー問題」(池田清彦著 KKベストセラーズ 2008)はっきり原発のリスクと、ウラン資源だって枯渇するぞ!と警告している本。ごちゃごちゃしているエネルギー問題をわかりやすくいろいろな引用を明示しつつ論じている。各国のエネルギー問題対策も紹介されているし、なかなかお得感あふれる一冊でした。(って、、、例によって知人から、借りた本ですが。。。)国の政策に苦言を呈しつつも、「エネルギーがなくなっちゃう!じゃなくって、国民が元気になれるような政策を国に期待します!」と前向きな締めくくり。問題は、それを期待できる「国家」なのか?という点ですね。カギは、地域密着で小さくても満足の高い生活のよさを、ひとりひとりが作っていけるかどうかだと思うのですが。忙しすぎると、そんなこと考えてられないよーというのがモンダイかも。

本質を見抜く力―環境・食料・エネルギー (PHP新書 546) (PHP新書)
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star地理をベースにした日本と資源問題
star溢れる情報に惑わされない
star日本の農業政策に対する対談部分だけでも読む価値があった。

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正義で地球は救えない
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starとっても大切な本だと思う
star複眼的思考のトレーニング
starわかりやすい!!

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ほんとうのエネルギー問題
ほんとうのエネルギー問題池田 清彦


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star筆者の思い込みが強く、散文的な感じがします。

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夕ごはん
ホッキ貝とホタテのお刺身
ほうれん草のおひたし
ニラ玉
大根のつけもの
納豆
もやしのみそしる

1 comment:

  1. わかりやすい話は、凡人にはありがたいのですが、わかりやすい話に「落とし穴」があるのも、事実ですよね。
    物からの視点で、歴史をみるのは、面白いですよね。太古の昔、文明が発達した場所は、砂漠化してるし、レバノンだって、かつては、今はなきレバノン杉で覆われた大地だったそうだし。
    地球にあるものは、循環されないと、人類も生き残れないと思うわ。今は、掘るだけ掘って使うだけ使って、ゴミが地表あたりで溜まってる状態。どうなるのでしょう。

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