「罪と罰」(本村洋、宮崎哲弥、藤井誠二著 イーストプレス 2009)「光市母子殺人事件」の原告本村氏と評論家ふたりによる鼎談本。死刑の是非が話題の中心だけど、「死刑容認」がメインのポジション。
いわゆる教条的な「死刑反対」論に対してはかなり厳しい批判が繰り広げられている。印象的なのは、評論家でも専門家でもない本村さんが社会論の古典をていねいに読んでご自分なりの考えを積み重ねて発言している点。失礼だけどふたりの評論家の対談本であったらなんとなーく抽象論で終始してしまっただろう内容が本村さんの存在、発言でリアルさが増している。
書物を読み解き、正論をふりかざすだけでなく、必ず己の身にひきつけて考えること、そこからいろいろなことが出発することがとてもよくわかる一冊。
「死刑」の是非については、私もよくわからないけれど、本書を読むことを通じて「裁判員制度」と「死刑廃止論」の関係についての一考は「そういうこともあるかも」と思える。いったいどうして決まったのか未だによくわからない「裁判員制度」も、そこから「死刑廃止」への道筋をつけるための装置と考えることも可能であると。まだ未読だけど「死刑反対派」の森達也氏の「死刑」も読んでみたい。
何よりも、この本を読んでほっとしたのは、本村氏が、「10年たって、ようやくまた家庭を持ってもいいかな、と思えるようになって来た」と発言している部分。そこに至るまでどれだけの思いがあったことか。
それにしても、まだまだくすぶる「光市母子殺害事件」。はやく静かな日々が関係する皆さんに訪れることを祈るだけです。
罪と罰 | |
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夕ごはん
ほっけの一夜干し
里芋の煮付け
オニオンスライス
納豆
高野豆腐とわかめのみそしる
昨夜は、遊びに行ったきりで、今朝帰ってきたネコがシンパイであんまり眠れなかったので、今とーっても眠いです〜。こういうときこそGPSつけたくなるね。ネコに。
こんばんは
ReplyDelete偶然?じつは、つい最近
「死刑のある国ニッポン」森達也 藤井誠二 の対談集を読んだばかりです。
果てしなく、結果は死刑に関しての意見は違うのだけれど、それぞれものすごく同意したり、なんども討論したりで、おもしろかった。読み応えがありました。
結論は一緒にならなくても、一緒に考える事が大事だと、いまさら思いました。
>かずさま
ReplyDeleteコメントありがとうございます。ほんとに結論は簡単には出ない問題ですよね〜。それでも考えていくことが大事なんだろうな〜。
おりひめ