そんな殊勝な気分になったのは、ある若いお坊さんが書いた本、「『自分』から自由になる沈黙入門」(小池龍之介著 幻冬舎 2008)を読んだから。カンタンに言うと小乗仏教の考え方、修行の仕方、意味をわかりやすーくかみくだいて説明している解説書。体裁は、「人生読本」みたいなのですけどね。もともとは、「欲望」コントロールがこれから必要では?と思って読み始めたんだけど、、、
まず冒頭から、「自己紹介、自分語りは、人をウンザリさせませんか?」とバッサリ。ああ、ネット上のブログなんて90パーセントが「自分語り」ではありませんか?(最近ではTwitterだのボイスだの、「ひとりごと」まで公開するのが流行だし。)「たねまき日記」も、その中のひとつ?と、ドキッ!さらに、カフェ、レストラン、映画を見終わったあとなどに、うっかり付けてしまう「軽いケチつけ」(例:「このカフェ、お茶はおいしいけど、内装イマイチ」)これの裏メッセージは「こーんなことに気づいちゃうワタシってセンスいいじゃん!」の「自分語り裏メッセージ」。このあたりから、もう心臓バクバクです。思い当たることばかり。とほほ。
「ワタシってこーんなに不幸!」という愚痴は、「不幸自慢」。ジブンという小我(本書ではココロと定義されていますが)は、貪欲で、不幸だろうとなんだろうと「刺激」をエサにして自らを保つというのが仏道の見識だそうで、、、
「心の師とはなるべし。心を師とすることなかれ」(涅槃経)(p42)
本書の1/3は「ジブン病」がもたらす弊害について語られ、1/3は、現実的で、ゆるやかな処方箋。あとの1/3は、瞑想、呼吸法などちょっと上級な「ジブン」を消火、じゃなかった昇華する方法について説明されています。他人様の「ジブン攻撃」から身を守る方法なども紹介されております。「天皇はパンキッシュ」「ジブン他人化計画」など、ほほーと思える部分多し。「衝動」はよくないよ。「抑制の美」があるでしょうということが、タイトルに結びつくわけでしょう。
それでも、、、「批判や意見だって、時に、大事なんじゃないのー?」と、おそるおそる思います。すると、、、
仏道を日々実践している人ですら、否定をゼロにするのはなかなかに無理なこと。フツウの人がちょっと意識したくらいで批判•悪口をやめられることなんて絶対になし。ゆえに安心して、否定に費やす無駄なエネルギィをダイエットすることに励み給へ。(p75)
うーん。それでも「英語」を教えていると「自分の意見があってこその英語発信」って実感したりするから、そこんところとの折り合いが難し。ダライラマってここら辺、どうお考えでしょうと、ふと思ふなり。
願わくば、このブログが「邪見100%の純正品(=ジブン語り100%)ではなく、せめて「邪見果汁80%スカッとさわやかソーダ20%」となるべく日々精進致しますです。
著者のサイトからこの本の内容、一部読めます。http://iede.cc/c/ 画面下方の「仏道式コミュニケーション手習張」より。
「自分」から自由になる沈黙入門 | |
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夕ごはん
なめたカレイの煮付け
カボチャ
しらすと若布の酢の物
納豆
長いもすりおろし
舞茸と大根のみそしる
著者サイト、面白かったです。
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