というのが、この本を読む前の「高峰秀子」に関する知識。それで、調べてみたら、、、なんと!すごい人ではないですか!
5歳のときから「天才子役」として活躍。日本の戦後の名作映画に数々出演。「デコちゃん」は、スーパースター。戦後初のカラー映画「カルメン故郷に帰る」で主演。などなど。経歴読んだら、ほとんど「美空ひばり」ではないでしょうか?
それなのに、どうして私の印象は薄かったんだろう?私が中学生のころ、女優引退したから?
ところが、、、印象薄いのは、どうやら私の世代あたりからのようで、「高峰秀子の流儀」は、発行3ヶ月ですでに15刷。驚異的に読まれている。ますます不思議な人です。
実は、女優引退、執筆活動引退後の元名女優の近況を伝える「流儀」自体も不思議な本。ふつう、「評伝」や「人物伝」の類いは、対象となる人の明と暗を描きわけることで面白さが生まれる。ところが、この本に限っては、もう高峰秀子をベタボメしてるのみ。たしかに、シンプルで、はっきりしていて、しがらみを全て絶った、カッコイイ生き方のオンパレード。それでもそのホメホメ光線は、ファンクラブの会報か!と突っ込みたくなるくらい。でもねー。なんなの?この身も蓋もない「距離感」のなさは?
と、貸してくれた知人にぼやいたら、「同じひとが書いているこっちの方を読むと、いろいろわかるよー」と、今度は「高峰秀子の捨てられない荷物」(斎藤明美著 文春文庫)を手渡された。
たしかにねー。こっちの方が「高峰秀子」の「凄み」が伝わる。しかも、「流儀」の方に見え隠れしていた、「褒めれば褒めるほど」浮き上がってくる「いびつ」さの源流も。それは、その私生活での葛藤にあったんだ。
天才子役であり、「ああ利口じゃ可哀想だ」と言われていたほど聡明な少女は、「金の亡者」となった義母から馬車馬のように働かされ、搾取される。「好きになれない女優業」を続けていたのは、親族14名の生活がその肩にのっているのがわかっていたから。満足に学校に通えないまま、字は独学で覚え、簡単な足し算引き算、辞書の使いかたすら、結婚後、夫から習う。「芸能界」のドロドロも嫌というほど目にした結果、極度の「人間嫌い」の「ねじりん棒」ができあがる。
「銀幕のスター」は、私生活はあまりにも不幸、、、ってここまでなら、ありがちなお話。
それでも、虚飾におぼれることなく、「つぶれない」のが高峰秀子の「流儀」。
それは、なぜだろう?と考えるためのヒントが2冊(とくに「荷物」)を読めばわかる。
「スターと私生活」といえば、去年の今ごろ死んじゃったMJととってもかぶる人生なのだけど、彼との違いは、どこだろう?
MJは、常にサングラスを手放さなかったよね。
高峰秀子は、とにかく「目力」が強いんだって。
この辺りが違いかな?
だけど、、、きっと圧倒的に人々から「親近感」をもたれるのは、MJや美空ひばりなんだと思う。
その意味でも、高峰秀子は、「孤高の人」です。外出しないで、本ばっかり読んでるそうです。
うーん、このおばーさんが「イケてる」かどうか、まだ判断保留中。
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夕ごはん
塩さば焼き
冷や奴
キュウリのマヨ和え
キャベツサラダ
納豆
しめじとニラのみそしる
高峰秀子の「わたしの渡世日記」(上、下)をぜひ。本人が書いたもので、週刊朝日に連載当時、衝撃を受けました。私の母と同じ年、母が好きな女優で、子供時代に映画館で見ています。そんなんで、この人のことはいつも気になります。「。。。荷物」はよく書けているのですが「。。。流儀」はよくなかった。ただし、巻末の高峰秀子のことば、半ページに満たない挨拶文が秀逸。情にやけどしてきた高峰秀子はこの本の著者、斎藤明美のことを(たぶん)欠点も含めすべて許しているんだな〜と感じました。
ReplyDelete吉田さま
ReplyDelete「荷物」と「流儀」についてのご意見、全く同感です。「荷物」の「ひとこと」で「渡世日記」を読みたく思いました。知人から借りる予定です♪