夕ごはんを作りながら耳にしたテレビのニュースでは、「福田ビジョン」とかで、2050年まで日本のCO2削減目標を、現状の60-80%に設定するそうだ。どうやら6月ごろまでに。つまり,洞爺湖サミット向けでしょうか?このサミットが決定して以来、「温暖化」の言葉がメディアで氾濫している。マイバッグも奨励されているし、「エコ」という言葉も当たり前に使われるようになっている。。。。いいことなのだろうけど、、、なんとなくねー。どうなのよ?という気持ちもどこかにあった。なんだか、あまりにも「予定調和的」な「エコブーム」に思えて。
そんなへそ曲がり気分に時に読んだのが「地球温暖化は止まらない」という翻訳本。アメリカのシンクタンクの研究者が中心となり、学術論文をもとに、「気候変動1500年周期」という説を展開して、現在話題になっている「経済活動の活発化によるCO2の排出が、地球温暖化の主因では、ない」と結論づけている本。いやー、科学オンチにしてみると「学術論文」とか「データ」の段階で、もうそれが、まがい物かどうかを自分で判断できなくなるわけで、、、ただ、地球は、150年周期で暖かくなっている、という事実は、あるのだろうな。
だけど、だからといって、今の大量生産、大量消費が、人間の幸福に結びつく、、、という「アメリカ的(あるいは、日本的?)ライフスタイル」が、これからも続くべき、または、全世界がそれをめざしているはず、、という主張には、「???」でした。
問題は、「温暖化」にフォーカスされがちな我々の視点では、ないか?
と、思い始めたときに、出会ったのが「地球環境報告」と「地球環境報告II](どちらも岩波新書、石 広之著)。80年代と90年代の地球環境の状況を、現地視察と豊富なデータをもとにレポートした内容です。読みやすかったのは、科学書ではなく、環境問題と、政治経済の問題をシンクロさせて説明してあったから。
この日記を読んで下さっている皆さんに読んでもらいたいです。
80年代の報告を読み始めて,愕然したのは、当時、農地の破壊や,砂漠化が深刻な状況としてあげられていた地名。ハイチ、フィリピン、ダルフール。。。。そう、小麦の高騰で、暴動が起きたり、地域紛争で、壊滅的な状況にある地域。すでに80年代からその兆候があったっていうこと?そして、環境状況の悪化の理由は、どの地域でも同様。「爆発的な人口増加で、食糧が不足し、それを補うための土地の酷使、限界を超えた森林開発。」
そして、最もドキリとすることは、「そういう土地での『農地』は、そこに住む人の食糧を供給することではなく、欧米、日本へ輸出するための商品作物(ジュート、ココナッツ油、ヤシ油、紅茶、輸出用の米、木材など)を、作るために酷使されている」という事実。トウモロコシなども、日本や欧米に「家畜飼料」として送られるために生産されているのです。
詳細は、ほんとうに読んでもらいたいけど、そういった土地の酷使が、砂漠化、塩害、森林消失につながっているということが列挙されているのでした。で、つまりその地域(中南米、アフリカ、アジア)に住む人々に大きな負担を強いている。政情不安も、こうした環境悪化が一因では?
「地球環境報告II」では、さらに、東南アジアでの日本への輸出向け用エビの養殖により、マングローブなどの生態系が壊され、アマゾンの奥地まで開発がすすみ、原住民がおいやられていることなどが、付け加えられているけれど、経済構造的な問題は、前著とほとんど変わっていないことが、読み取れる。
私の毎日は、「遊びたい盛り(?)」の40代にしては、外食もほとんどしないし、贅沢をするということもないし、遊びに行く事もほとんどない。(まあ、田舎に暮らしているというのと、家計がヒッパクしてるというのが主な理由ですが)それでも、日本で、こうして生活しているというだけで、大きな負担が地球のどこかにかかっているのだなあと改めて思い知らされました。「温暖化」も、問題なのだろうけど、それ以前に、知っておくべき事実が書かれている本でした。
著者による、最新刊も出ているようで、図書館で、取り寄せリクエストをしました。
夕ごはん
シュウマイ
ワラビのごま酢和え
牛乳とうふ
小松菜の塩炒め
イカの塩辛