
むむ。まだ居座っている低気圧。霧雨の合間を縫って、次のハウスへ肥料まき。ほんとうにお天道さまにはかないません〜。また陽がのぼるのを待つしかないですよね。。。。と、自然を目の前にすると謙虚というか「あきらめ」というか、状況を受入れて、ことさらにヤキモキしない態度でいるしかない。ところが、もしこれが、誰かに理不尽なことをされたとかだったとしたら、、、、もうその「誰か」に対して怒りや、憤りがフツフツとわいてくるのが人間。最近では「逆恨み」なんてことも珍しくないし、「こんなはずではない」「アイツが悪の元凶」などと、責任を自分の外に向かわせやすいのが人間。
しかし、それもこれも全て受け取る「わたし」が、その体験をどう「解釈」するのかで変わってくる。そして人生で起きる全てのことをコントロールすることはできなくても、その「体験」をどうとらえるかは「わたし」が決められる。「エゴ(自我)」を書き換えたり、捨てたりすれば心の平安が訪れる、、、
などということは、最近ブームのコーチングやスピリチャル系、さかのぼっては、70年代ころから生まれたニューエイジ系の言説によーく見られる言い回しです。
しかし、まさかこんなお話を、脳科学者が!しかも、スピリチャル本がかもしだすやや「トンデモ」なイメージをふりまかずに、、、と、夢中になって読んだのは「奇跡の脳」。(ジル•ボルト•テイラー著 新潮社 2009)以前にテレビ放送をこのブログでもご紹介しました。
本の前半は、気鋭の脳神経学者としてバリバリとハーバード大学で大活躍中の37歳の冬の朝に脳卒中で倒れ、言語回路を失った著者が、その朝の自分の脳に起きた出来事を細かく再現した迫力あるレポートと、その発作のあとに続くリハビリの様子、回復に何が必要で何が迷惑だったかをコンパクトかつ説得力ある言い回しで綴ってある。これは、脳疾患で闘病中の家族や知人がいる人には心に響く内容。「日々成し遂げられる小さな成功を喜ぶ」「お見舞いにきて『ものすごーく心配なのよ〜』の負のエネルギーを発散する人は、大迷惑」など、珠玉のアドバイスに満ちている。
後半は、「論理、分析、言語、思考」を司るという「左脳」の機能を一時失い「右脳」だけで生きていた著者が味わっていた深ーい「平和と幸福感」についての描写からはじまる。傍目からみたら、ほとんど廃人に見える脳卒中患者の彼女の内面は、まるで「ニルバーナ(涅槃)」。「全宇宙と一体になっている感じ」であったそうだ。(この辺り、左脳が支配しているという「言語」という手段で、右脳が感じた「非言語的体験」を語らなければいけないという靴の上から足の裏をかいているんだろうなあというもどかしさもとても伝わりました。)「右脳オンリー」の状態から「左脳」の機能回復を行うにつれて、彼女はそのふたつの機能をうまく調節できる術を身につけた。そして、それは誰にでも可能だという。
具体的には、すぐに批判や、分析、文句を言い、過去を悔やみ、将来を悲観し、「エゴ(自我)」を主張したがる「左脳マインド」をちょっと黙らせて、共感や直観、「今ここ」を大切にし、「大きなセルフ(宇宙)」につながっていると確信できる「右脳マインド」に活躍してもらうように意識を向けることだとか。
「前世」とか「ご先祖さま」、「風水」はおろか、仏教の「一元論」すら出てこないのだけど(著者に言わせるとそういうものは「左脳が作った物語」なのだろう。)エッセンスは根底で一緒であるところが、お釈迦さまやキリストさんが言わんとしていたことを別の形(強いていえば、科学的、もしかしたら21世紀的?)に表現しているようで、あれよあれよと興奮しながら読みました。
翻訳も読みやすいので皆さんにオススメ。さらには「文字が読めない」という感覚、それをどうリハビリで回復させたかについても書いてあるので「わー、この子、アルファベット読めないよ〜」の生徒さんをみていらっしゃる英語のセンセイも一読の価値ありだと思います。一読後、ネットやら読書やらで「言語漬け(左脳漬け)」の日々がちょっと息苦しく感じられるかもしれませんが。(←これは、ワタシのことだっ!)
さ、明日は、カボチャのたねまきの準備しよ〜っと!
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夕ごはん
ホッケの干物(自家製)
ネギ入り卵焼き
フキのキムチ和え
アスパラ
納豆
高野豆腐と小松菜のみそしる
先日頂いたホッケを冷蔵庫で干物にしました。はじめてやってみた「背開き」。おお!これぞまさに「ホッケの開き」!の姿が現れたときには感動しました。これ、今度の秋冬には戸外でやってみまーす!ともだちが教えてくれたフキのキムチ和えは、イマヒトツ。ちゃんとレシピを聞いてなかったか?うーん。