今日は、ひさしぶりに最近読んだ本の紹介。「さよなら英文法!多読が育てる英語力」(酒井邦秀著 ちくま文庫 2008)。できたてのホヤホヤ本です。
酒井先生には実際に2年ほど前に講演会でお会いしてそのお話を伺うチャンスがありました。その後も、ブログを拝見して、ときどき私も投稿したりしています。
講演会では、とにかく、やさしーい本、文字がない絵本のようなものからはじめてたくさんたくさん読んだり、聴いたりしているうちに英語の力が伸びますよ!という先生のお話は、とてもパワフルで笑いと魂がこもったものでした。
この本は、私がきいた講演会の内容をさらに踏み込んだ内容。タイトルどおり、「文法学習は、必要ない。」「単語暗記も邪魔。」(さらにいえば『学習』という言い方さえ、最近の先生のブログ周辺では、敬遠されています。)その理由、根拠がかなりリクツっぽく説明されています。特に第一部「問題編」は、とってもマニアックな内容だから、単純に「英語を身につけたいなあ」と思っている人は第二部の「解決編」だけで十分かも。(。。。というより、この本読むより、さっさと本屋に走るか、図書館をあたるか、英語の絵本を読ませてくれるところをさがす方がいいかもです。あはっ!)
この本は、むしろ語学教育(英語に限らず)に携わっている人、翻訳、通訳のお仕事をしている人に読んでもらいたいです。
「問題編」には、こどものころから英語絵本の読みきかせをうけた小学生が、突然英文で物語を書き始めた例、中学入学まで英語に触れた事がなかった人が、英語絵本と多読、オールイングリッシュの英語レッスンで、中学生のうちにファンタジーを英語でかいちゃった例などが掲載されていて、これがやはり衝撃的です。
語数よりも、何冊読んだか、それは「何個の『物語(あるいは世界)』に触れたか」とイコールであるから、教科書などで人工的に操作されて、やせほそった英文を覚えるよりも数千倍も価値があるだろうという最後の章は、感動的ですらありました。
もう少し、時間とお金に余裕があったら、このやり方で、新しい外国語を身につけてみたいなあと、ふと思います。
さよなら英文法! 多読が育てる英語力 (ちくま学芸文庫 サ 10-3) 酒井 邦秀 筑摩書房 2008-11-10 by G-Tools |
夕ごはん
野菜の天ぷら(ブロッコリ、にんじん、ごぼう、かぼちゃ)
長いものすりおろし
蒸しカリフラワー
じゃがいもとニラのみそしる
こんばんはーーー
ReplyDelete最近、米原万里さんにはまり、原文と、翻訳の違い、裏事情が面白いです。
以前、英会話を諸般の事情で(単に、友人が個人レッスン受けたいが、一人じゃ嫌!)習い始め、後半月一でもあしかけ10年近くは習ってました。効果は、ガイジンみてもフリーズしなくなったこと。
英会話というより、フットボールが嫌いな”根暗なアメリカ人”が、妙に相性があい、継続できた次第です。
洋画の字幕は、「話していることの要約」というのは、わかるようになりました。
ただ、最近購入したCDのコメントの邦訳が気にくわなかったっです。
原文もあったから、ロックミミュージシャンだから、言葉も雑とは限らない! その、翻訳が気にくわなかった。が、いかんせん、自分で訳せない。
が、英文のまま、一応理解してるようです。「多読」のおかげ?
最近面白かったのが、外国人向けの日本語」の多読本が、5冊セットでいろいろ売ってたのを見かけたことです。
とりとめもなく。
で、札幌は、今朝は圧雪、午後からツルツルです。夜に、実家母に電話したら・・・・空知地方は、ひざした位までつもったそうです。
こんばんわ。酒井先生の本についての話、とても惹き付けられました。じかに英語に触れるチャンスさえあれば、きっとだれもがその豊かな世界に入っていけるのに、そのためにはどうしたらいいんだろうって、考えて考えて考えて「そうだ!絵本だ!多読だ!」。(これは私の勝手な想像です)。5回目の配本を終え、酒井先生の気迫をさりげなく伝えてくださっているオリヒメさんに感謝。毎回、英語すらも超えて心で見る世界が絵本からこぼれてきます。
ReplyDeleteーー語数よりも、何冊読んだか、それは「何個の『物語(あるいは世界)』に触れたか」とイコールであるから、教科書などで人工的に操作されて、やせほそった英文を覚えるよりも数千倍も価値があるだろうーー
「語数よりも、何冊読んだか、それは「何個の『物語(あるいは世界)』に触れたか」とイコールであるから、教科書などで人工的に操作されて、やせほそった英文を覚えるよりも数千倍も価値があるだろう」
ReplyDelete英語ができないわたしがいってもって感じですが、わたしも、この言葉に大いに同感!です。物語を読むって、ほんとに大事ですよね。生きた英語に触れあう機会って大事だよね。
知人で英語話せるんだけど、素人目にもいまいち魅力的でない話し方(偉そう、固い)で、そういうのを見て、なんだろう、やっぱ、会話って、コミュニケーションって、リズムとか感情とかの方が、文法にこだわるより伝わるんじゃなかろうかって感じてます。
わたし、アメリカのドラマが好きなんだけど、特にシチュエーションコメディなんて、英語で聞くと、へえ、こんな言い回しするんだああって、感覚的にわかるときあるんだよね。英語できないくせに。なんか、そういう、語学センスみたいなものって、生きてる会話や物語を背景に育つのではなかろうかと思ってますけど、どうなんでしょうか?
>かずさま
ReplyDeleteその歌詞のお話、おもしろいですねえ。訳す必要ありますか?英文のまま、「伝わっている」のであれば、それが一番だと思います。
>吉田さま
酒井先生のやり方の根っこには、なんというか「愛」を感じるんですよね〜。「教える」「教えられる」の一方通行におちいりがちな語学指導が、本の紹介を中心にすればいいのであれば、「これ、おもしろかったよ〜」「イマイチだっったよ」とお互いに教え合うという双方向の関係になりますよね。
そのほうが、お互い、楽しいと思うのです。理想でしょうが。
>みかん様
「語学センスみたいなものって、生きている会話や物語を背景に育つ」って、そのとおりだと思います。シチュエーションコメディ(シットコム)は、とてもいい素材ですよ。感覚的にわかる、から始まるんだと思います。
例の「トマベチ本」には、電車の中で日本語の小説を読んで涙を流せるのは、物理的臨場感(電車の車内)を、超えるリアリティを小説がもたらすからだ、とありました。その話と、「一冊の本、一冊の世界」は結びつきますよね。
心が動く、って大切ですよね。
おりひめ
うん!うん!心が動くってほんと大事ですよね。
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